我が家の塗り絵クライシス
少し頻度が落ちてきた気もするが、つむぎは相変わらず塗り絵好きだ。
YouTubeやNetflixから自分が色を塗りたいキャラクターを見つけては、「あれ印刷して」「これの塗り絵したい」となる。
何度も繰り返されるこのやり取りの末、もうネット上で簡単に見つかる塗り絵に向いた線画などなくなってしまった。
「ジェットジャガーの塗り絵したい！」
「うーん、調べてみたけど、あんまりないよ」
僕からスマホを奪い取って画像検索するつむぎ。
「もう自分で描いたら？」
「だでぃが描いて」
「うーん」
スマホの画面を眺めながら、ボールペンでジェットジャガーを描き始める僕。
やり始めると意外と面白い。
櫂とつむぎが「わーわー」している横で、集中してボールペンを進める。
そして、なかなか上手くできた気がする。
「つむ、できたよ！」
「おー！おー・・・・・・。なんかこのジェットジャガー顔が大きいし身体が小さい・・・・・・」
「えー、いいじゃん。これ使って」
僕はリビングを離れて、着替えの準備をする。
リビングに戻ると、僕の描いたジェットジャガーが無くなっていた。
つむは気に入らなかったかぁ。
「つむ、ジェットジャガーどこやったの？」
「えー、知らない」
僕はそれなりに気に入っていたので探し回る。
が、ない。
まさかなぁ、と思いながらゴミ箱を開ける。
クシャクシャに丸められたジェットジャガーがいた。
ひどい・・・。
「つむ、気に入らなかったからって捨てなくてもいいじゃん！」
「え、うーん」
「もう、何も描かないから！」
少し大人気ないが、普通に悲しい気持ちになる僕。
つむぎを幼稚園に送りに行く車の中でも、なんだかもやもやする。
幼稚園からの帰り道。
まぁ、でも確かにあれ顔と身体のバランス悪くなっちゃったなぁとは思ったんだよな。
でも、なにも捨てなくても・・・。
夕飯、お風呂が終わりみんなが寝静まった後、僕は紙とボールペンを取り出す。
パソコンの画面にはジェットジャガー。
もう一度描いてみることにした。
今度は、朝よりはバランスが良くかけたかもしれない。
もう一度描いて、ちょっと良くなったことで自分の中で気持ちを落ち着けたのだった。
朝のやつもあれは、あれでいいと思うんだけどなぁ。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した４人と１匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします！
（登場人物）
ぼく：東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで８年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん：ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。２０１５年に結婚。
つむぎ：４歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ：３歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂：1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。
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