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イチロー引退会見から学ぶ『8つの人生観』

  マリナーズのイチロー選手が引退をした。 僕は特に野球に詳しいわけではないが、イチロー選手の引退会見には惹き込まれるものがあり、見入ってしまった。 彼の言葉から多くのことを学ぶことができると思ったので、僕自身が読み返して忘れないようにここに記しておこうと思う。

※以下では愛を込めて”イチロー”と敬称略で書かせていただく。

 自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけろ 

こどもたちへのメッセージをお願いされ、イチローが答えた言葉。


 夢中になれるものが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、壁に向かっていくことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。 


この言葉はこどもに向けて発言していたが、おおいに大人にもあてはまると思う。自分に向いてないとしても、好きなことであれば続けることができる。
 続けられることで、小さな成果が積み重なり、結果を残すことができる。僕も好きなことを続けていきたいと思った。

 貫いたことは「野球を愛した」こと 

イチロー選手が貫いたものとは?と聞かれ。彼は「野球を愛したこと」と答えた。その後照れ隠しに笑いを誘っていたが、僕にはすごく印象的だった。

 イチローが野球が楽しかったのは3年目までだったらしい。 ただし引退までの25年間ずっと彼は野球を愛していた。

 「野球を愛すること」= 「野球を楽しむこと」

 ではないということをはっきり表現している言葉。
仕事や人生も楽しいことばかりではない。もちろん楽しい時もあるだろうが、言ってしまえば楽しくない時がほとんどだ。ただ愛していれば続けることができるだろう。
 僕は愛とは全てを受け入れること、だと(現時点では)思っている。物事の欠点も良い点も認めた上で、積み重ねることのできるイチローのプロ意識の高さを感じた。

 寒い時期に練習するので、へこむんですよね。やっぱ心が折れる 

イチローがオフの間、アメリカでプレーするまでは神戸の球場で練習するらしい。そこでの場面を答えた言葉。 イチローでも練習するのがちょっと嫌な時があるんだな。と少し意外に思った。
それでもイチローは毎日練習する。 楽器の練習も地味なことが多いが、 嫌な時もあるのを理解しつつ、積み重ねるのが大切なんだと改めて学んだ。

 難しいかもしれないけど言葉にして表現する 

 
イチローは50歳まで現役を掲げていた。 そしてこの目標が無ければここまで来れなかっただろう、と。 ここにイチローの"目標"というツールの使い方の巧みさを感じた。
  自分の限界の1つ上の次元に目標を設定することで、成果を出すことに繋がる。ここもイチローから多いに学びたいポイントである。

 人より頑張ることなんてとてもできない 

 イチロー選手の生き様でファンの方に伝わっていたらうれしいことは?と聞かれたときに出てきた言葉。 

 あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。  だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。

長い引用になってしまったが、この会見でもっとも僕の心に響いた言葉かもしれない。 

イチローは人と比べること自体に意味が無いということをはっきりと意識しているからこの言葉が出て来たのだろう。
 人生は勝ち負けがもちろん存在する、しかしそこに一喜一憂することに本質は無い。ただし、自分自身に向き合い、挑戦を続けることで過去最高の自分に出会える。それだけは絶対だと分かっているのだろう。

 これは人生の幸福度にも繋がる話だと思う。一般的な幸せも人と比べることに意味は無く、測りは自分の中にある。画一的な幸福論がはびこるSNSが普及したこの時代だからこそ、それを忘れないようにして生きていきたい。 

 プライベートなんでお答えできない。 

 ベンチに戻ったときのイチローと菊池雄星選手の会話について聞かれた時の返答。2人の会話なのでお答えできない、自分から話してしまったら(彼から)信頼されない。と答えていた。 

短いやりとりだったがイチローが話題性よりも、チームの仲間との信頼を優先している姿勢が垣間見えて嬉しかった。

 我慢したことがない。

 一番我慢したものを問われ、「我慢したことがない」は意外な答えだった。イチローは常日頃、ストイックに厳格に物事を進めている印象だったからだ。 

 僕、我慢できない人なんですよ。楽なこと、楽なことを重ねているという感じなんですよね。自分ができることを、やりたいことを重ねているので我慢の感覚がないんです 

 本当に夢中になれる’野球’を見つけられたイチローだからこその感覚だろう。我慢をせず、自分の尺度で自分の好きなことを積み重ねるという一貫した姿勢だと感じた。 

 成功かどうかってよくわからない。

 夢であるプロ野球選手になるという夢を叶えて、今、何を得たと思いますか。と聞かれ答えた言葉。 

僕はこの答えにも大きく感銘を受けた。

 成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かないという判断基準では、後悔をうむだろうなと思います。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。 

あくまでも基準は外にあるのでなく、自分の中ある、という一貫した姿勢が見られる言葉。 そもそも人生に成功、失敗などというものはなく、成功という尺度を目的に生きてしまうと、自分を見失ってしまう。 価値基準を自分の中に置く重要性を改めて思い知らされた。 

ありがとう、イチロー選手 

今回の引退会見から、僕は多くのことを感じ、学ぶことができた。音楽とはまったく違った分野の人でも多くのことを教えていただけた。これからも、

 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ 

の精神で別け隔てなく、様々な人の歴史から生き方を学んでいけたらと思う。  あと冒頭に野球には詳しくは無いと書きましたが、KONAMIのパワプロは大好きです。サクセスモードで彼女を作るのが特に。            

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ヨシダシゲル
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