石造りの旧市営住宅にて
閑静な住宅街、兵庫県芦屋市の街を歩くと目を引くアパートが見えてきます。
見るからに他のそれとは違う雰囲気。
ただ古いだけとも違う、味のあるこの建物はなんだろうと、そんな気になる人も多いのでは。
これは昔の市営住宅で、建物がある町名から現在の名前は旧宮塚町住宅といいます。
昭和28年に建てられた建物は、全国的にも珍しい、外観。
ご覧いただいてわかるでしょうか?
石造りなんです。
三匹のこぶたのレンガの家の如く、丈夫な建物で、阪神淡路大震災の被害をも乗り越えてきました。
素材は日華石(にっかせき)と言う石川県小松市観音下町で採掘される石です。
地名からかながそいしとも言われます。
白山の火山灰の体積による凝灰岩で黄色みの気品ある風合いや多孔質で火に強いのが特徴です。他には国会議事堂や武庫川女子大の甲子園会館(旧甲子園ホテル)などで見ることができます。
令和2年3月に文化庁より登録有形文化財の指定を受けました。
「芦屋市のもと市営住宅。戦後の住宅不足と都市の不燃化に対応した、戦後復興期の地方の非木造市営住宅として希少な現存例」
石造りの外観が生み出す雰囲気から、取り壊しの声もあったこの建物を残して、有効活用ができないか。そんな声が上がったのも必然ではないでしょうか。
平成31年に物づくりをしている人を対象として募集が開始され一般公募の上、入居者が決まりました。
私はその第2期(2階の住人募集)に素敵なご縁をいただき、その部屋の1つで仕事をスタートすることとなりました。
それが令和元年の10月から。
今は令和2年の5月なので、少し振り返りつついろいろ書いてみたいと思います。
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