noteを始めてみた。
私が初めて自分のホームページを作り、公開したのは、2001年1月の事だ。『借金地獄・倒産危機から、自力で脱出する方法~猫次郎の体験記』というタイトルだった。当時32歳。前年までに経験したタイトル通りの出来事を、どこかに書き残したい、そして誰かの役に立ちたいというのが、最初の動機だった。
このホームページはすぐにヒットした。開設して1-2ヶ月後にはアクセス数が10万件を超え、半年も経たないうちに大手出版社から書籍化の打診をいただいた。1年後には別の出版社からも書籍執筆の依頼をいただいた。雑誌の取材も週刊SPA!やダイヤモンドZAIなど複数来るようになった。ひっそり偽名で活動したかった私は大いに困惑した。
読者の方々からのメールもかなり多かった。当時はSNSもブログもなく、メールの返信をするだけで毎日3時間以上を費やしたものだ。メールの内容は「感動しました」「参考になりました」というものもあれば、「〇〇士です。情報交換しませんか?」というものも少なくなかった。出会いが沢山生まれた。だが最も多かったのは、逼迫した中小企業経営者からの「借金相談」だった。
こうして、なんだか自然発生的に経営者の借金相談をコンスタントに受けるようになり、無償で片っ端から相談を受けていくうちに知識と経験が積み重なっていき、気がつけばコンサルタントの原型のようなものが形成されていた。そしてあっという間に2年の歳月が流れ、書籍も出版に至り(デビュー作は初版12,000部がすぐ完売した)、2003年春、満を持して、私は「事業再生コンサルタント」として独立開業することになった。家業(小さな輸出入貿易業)を退き。
私の人生は、インターネットで自分を発信することによって、大きく変わったと言って過言ではない。
ホームページの他にも、さまざまなツールを試したものだ。
2001年2月にはメールマガジンを始めた。これは今も続けている。
メーリングリストも開設した。名前は「猫次郎塾」とした。倒産寸前の中小零細企業経営者ハンドルネームで夜な夜な情報交換する、楽しいメーリングリストとして盛り上がり、多い時は1700名を超える登録者がいた。しかしこれは時代の変化と共に2009年頃に事実上消滅した。
ブログは2005年に始めた。ホームページと違ってアップロードが簡単で、コメント欄やトラックバックも楽しくて、5年以上はハマりまくった。最近はSNSが流行り始めてから停滞気味だが・・・。
SNSはmixiから開始した。2008年だった。だが2011年に退会した。
Twitterは2010年から始め、今でも不定期にブツブツつぶやいている。140文字という制約がかえって面白い。この文字数なら駅のホームでも医者の待合室でもどこでも数十秒で打てる。
Facebookは2011年から開始した。現在もヘビーユーザーだ。自分には最も合っているかもしれないと感じる。
Instagramは2019年頃からプライベートでそこそこ利用している程度だ。
このように、流行りものには一通り手を出すクチだが、長く続いたのは、ホームページ、ブログ、Facebook、メルマガ、Twitterくらいだ。
生き残り率50%といったところか。
YouTubeも地味ながらやっている。2007年から動画投稿を始めた。但し仕事ではなく、魚釣りやギター演奏など趣味ばかりだ。仕事のほうは、なにしろ企業再生の現場を動画で撮ってUPするというのは難しい。守秘義務に抵触しやすいし、あまり絵にならない場面も多い。だから自分では、仕事の動画をYoutubeに載せる気にはなれない。(例外として、過去にテレビ出演した時のドキュメンタリー動画を誰か知らない人がUPして、再生回数300万件超になっているものがある。ちょっと恥ずかしいけど・・・)
何はともあれ、インターネットで何かを配信するのは楽しく、得るものが大きい。この20年で実に多くの収穫があった。そして、私には、動画よりも文章のほうが向いていると感じる。
そこで、noteだ。
noteの存在は、半年ほど前から知っていた。(ある医療関係の方の投稿を何度も読んで感銘を受けていた。)うるさい広告バナーもないし、読者さんの共感の有無がよりダイレクトに感じられそうなので、これからどんどん投稿してみたいと思う。中小企業の社長さんのために役に立つことを、精一杯。
吉田猫次郎