雨とボブ・ディラン~小屋ガール通信
「私もう29だから無駄な恋愛してる暇ないんです」
ピンク色のレインウェアを脱ぎながら小屋に入ってくるなり、後輩のフチコがそんなことを言い出した。
「朝っぱらから何の話だよ!」
まだ朝の7時だ。
フチコは美人で仕事もできるのに、少しトンチンカン。私は、この残念な3歳年下の後輩のことが大好きだ。
二人だけで仕事をするとき。私はよく、フチコの相談に乗った。末っ子の私は、妹ができたみたいで嬉しかった。
山小屋で働いた体験を書く「小屋ガール通信」。今回は、後輩の恋愛相談に乗った日のこと。
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