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勝ち組は20~30代⁉目前に迫るビジネス下剋上に備えよ


  • 2023.03.19

  • トレンド

ジェンダーやSDGs、働き方改革についての考え方が、広く社会に浸透してきました。

10年前なら「海外から起こったトレンド」、「若い人の考え方」と珍しいもののように捉えていたことが、今や当たり前。

反対にそれらに即した考え方ができない人は、時代に取り残されようとしています。


ところが社会の主軸を担っているはずの40代以降は、それに気づいていない人が大半。

実はビジネスの世界には、20代30代が主力となる転換期が近づいているにもかかわらず、状況を楽観視し過ぎているのです。

そこで今回は今、社会で起こりつつある「ビジネス下剋上」について考えてみました。

今、社会の水面下では何が起こっているのか?


今、日本の貯蓄率のうち、30%以上は65歳以上の定年を迎えた世代が握っているといわれています。

ビジネスで成功したい、大きく稼げる仕組みを作りたいというのであれば、この世代をターゲットにした商売をするのが基本。

ただ介護ビジネスなどライフラインに近いサービスを除けば、今この世代をターゲットとしたビジネスを展開しようとしている事業者は多くありません。

これから社会の主軸になっていくはずの40~65歳は資産額が20~30代と変わらないと言われており、大きく投資し大きく稼ぐビジネスは難しい状況。

一方で若い20~30代はシニア世代を満足させられるノウハウを持っておらず、65歳以降をターゲットとしたビジネスには手を出しにくいのが現状です。


そう考えるとこれからターゲットになるのは、団塊世代や団塊ジュニアが重きを置いてきた「みんな一緒」を脱却し、個々の価値観を重視していく人たち。

カッコいいから、みんなが持っているからといった理由でモノやサービスを選ぶのではなく、それぞれの価値観に合ったポイントで商品を見極める人たちです。

そうすると客数が少なくても長く売れる、プレミアがつくような客単価の高い商品を開発していくことが成功につながりやすいのですが、新しい価値観に対応できる20~30代に対し、40~60代は「新しい時代に、何が求められているのか」が理解できていません。

そこで私が冒頭で話した、20~30代が勝ち組候補となる「ビジネス下剋上」が起こるというわけです。


20~30代は立っているスタートラインが違う


これまでも社会には転換期があり、大きく流れが変わったことはありました。

例えば、パソコンの登場によって電卓で計算していた状況がガラリと変わり、ExcelやLotus1-2-3に入力するだけで計算が完了し、書類が作れるようになったとき。

あるいは携帯電話の登場で、どこにいても相手と個々につながれるようになったとき。

さらにはスマートフォンが登場したとき。

誰もが「社会が大きく変わる」と実感しました。

ただそれらの変化には、プログラミングやデータ処理を専門とするプロフェッショナルが対応したり、外注に出したり、電卓や固定電話を併用したりと「できなくてもなんとかなる」猶予がありました。


一方これからの時代は、「全てをスマートフォンの中で完結する」時代。

各々が手のひらの中にある端末を操作してアイデアをまとめ、新しい商品を開発し、必要な相手とつながり、SNSでマーケットを開拓していく必要に迫られます。

「よくわからないから社内の若い人に任せよう」と言っていた時代は終わります。

若い世代の人たちは自らコンパクトにビジネスを立ち上げ、新しい価値観に合った商品を開発し、自分たちの手で市場を切り拓いていきます。

それは例えると、40~60代が42.195km走ろうとしているのに対し、20~30代は100mを走るような感覚。

プロ野球でいえば、昔は精神論で教育し練習量が重視され、耐え努力をした選手が強い選手となっていたのに対し、現代は圧倒的に少ない練習量で昔以上のパフォーマンスを出すことができるようになりました。

それは現代の選手たちがいかに効率よく勝てる方法があるかを知っているから。

同じことがビジネスでも起こります。

またビジネスは「10個やれば1個は当たる」と言われていますが、42.195kmを10回走るのと、100mを10回走るのとではどちらが少ないコストで成功をつかめるでしょうか。

結果は明白。

ここに成功する20~30代と、成功できない、あるいは成功するには膨大なコストが必要な40~60代という構図が出来上がり、下剋上が起こるわけです。


若い世代が手にした成功の先にあるもの

これからは20~30代が勝ち組となるとお話ししてきましたが、この世代には「勝ち続けることが難しい」という特徴もあります。

つまり40~60代は42.195kmを走る中で、「うまくペースが上げられないときの切り抜け方」や「必要以上のエネルギーを抑えて長く走行する方法」、あるいは「長く走る中でつながった仲間や人脈」、「走ることを支えてくれた周囲の人たちへの感謝の気持ち」を育んでいます。

100mを10回走っただけで成功を手にした20~30代が得られないのは、そういった人の性質やつながり。

成功を手にしたからといっていい気になってしまったり、周りを大切にできないことで足を引っ張られたり、相手の痛みを感じられないことで叩かれるといった場面に出会うでしょう。

プロ野球選手の大谷翔平さんが広い世代でたくさんの人から応援されているのは、チームの勝利に貢献したとか、ホームランをたくさん打ったという結果だけでなく、チームメイトを大切にし、周りの人たちに対する感謝の気持ちを持ち続けていることが伝わるから。

勝ち組となった20~30代がこの資質を得ることができれば、たとえ100m走で簡単に手にした成功でも、それを維持する道が拓けるでしょう。


今や40~60代は、スペックの低いパソコンのようなもの。

無理して新しいアプリケーションをインストールしても、大容量の情報を処理することができず、フリーズしてしまいます。

生き残るにはこれまでのマインドを完全に入れ替え、自分たちの経験や人脈を活かしながら若い人たちに貢献し、さらには若い人たちから学ぶという姿勢で再スタートせざるを得ない。

そんな時代が目前まできています。

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