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多くの方に論文を書いて頂きたい
この本は勉強が出来ない方向けの「『弱者戦略的』勉強の仕方」を教える本です。
しかし、「弱者戦略」をタイトルに含めなかったのは、「強者」(勉強や研究が出来る方)に論文を書いて頂きたい為です。
日本の注目論文は2021年過去最低10位
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は2021年810日、日本などの世界主要国の科学技術に関する研究活動を分析した「科学技術指標2021」を公表しました。
自然科学系の注目度の高い論文数で日本は前回から順位を1つ下げて過去最低の10位となり、日本の研究活動の国際的地位の低下が進んでいることが改めて浮き彫りになりました。
「TOP10%補正論文数」も10位に下がる
他の論文に多く引用される注目度の高い論文を示す指標「TOP10%補正論文数」を算出しました。
それによると、対象期間の1年あたりの平均で日本は3,787本の10位。
前回(16-18年)の9位から順位を下げ、10年前(07-~09年、5位)に比べても大きく後退しています。
また、全論文数で日本は今回4位で、10年前の3位から下がりました
1年平均は6万5,742本で、10年前の6万5,612本からほぼ横ばいですが、世界各国の論文数は増加傾向にあり、日本のシェアが低下しています。
逆にこの10年間での中国の台頭が顕著で、「Top10%補正論文数」、全論文数ともに米国を抜いて1位となりました。
![2002-2004年次のTop10%補正論文数](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85323412/picture_pc_9f1c102e05f090d1c08a3021668a72e7.jpg?width=1200)
![2012-2014年次のTop10%補正論文数](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85323416/picture_pc_71a8f71fa40b1c17a487297250b81013.jpg?width=1200)
【出所】文部科学省「平成29年版科学技術白書」を元に筆者作成
研究者数も研究開発費も他国と比較して微増
研究者数では日本は3位の68万2千人(20年)で、前年比0・5%増。
2019年の研究開発費は米国が68・0兆円で首位。中国54・5兆円、日本18・0兆円と続くが、対前年比19年の研究開発費は米国が68・0兆円で首位。
日本は0・5%増とこちらも停滞が見られます。
【出所】産経新聞『日本の注目論文は過去最低10位 国際的地位低下』https://www.sankei.com/article/20210810-4MMXUCZJZFOWPPJ4SL2EIEVE24/?outputType=theme_nyushi(2021年8月10日)
国際共著の割合も他国と比べて低い
日本の基礎科学力の揺らぎは、国際共著の数からも見てとれます。
イギリス、ドイツとの国際共著論文数(多国間)の比較では、2011〜2013年で、イギリス5,725件、ドイツ5,274件に対し、日本は1,546件と3分の1以下となっています。
2国間の共著論文数でも、イギリス4,475件、ドイツ4,222件、日本1,714件となりました。
![多国間の国際共著数推移](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85323580/picture_pc_881b09ace715e560433f444e5131642e.jpg?width=1200)
【出所】文部科学省「平成29年版科学技術白書」を元に筆者作成
日本科学界の3つの危機
文部科学省「平成29年版科学技術白書」では、国内の基礎科学力の低下につながりかねない3つの危機的課題は①研究費・研究時間の劣化、②若手研究者の雇用・研究環境の劣化、③研究拠点群の劣化だと指摘しました。
![基礎科学力の揺らぎの原因となる“3つの劣化”](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85323721/picture_pc_fa66317949a00a2ccee428ab80e62ffa.jpg?width=1200)
【出所】文部科学省「平成29年版科学技術白書」を元に筆者作成
国立大学運営費交付金等予算額の推移
文部科学省「平成29年版科学技術白書」によれば、研究費・研究時間の劣化については、国立大学運営費交付金の予算額が年々減らされ、個人研究費についても、アンケートで減っていると答える割合が43%に及びます。
![国立大学運営費交付金等予算額の推移](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85328603/picture_pc_9fa36ec59cf47312c6de072143e0996c.jpg)
【出所】文部科学省「平成29年版科学技術白書」を元に筆者作成
基礎科学力の強化に向けて
文部科学省「平成29年版科学技術白書」は、他国に先駆けて優れた研究成果を創出するためには、若手研究者をはじめとする研究者が最大限能力を発揮できるような環境整備、人材システム改革、研究費制度が必要であると指摘しております。
「偏差値」のみが重要視される大学
日本の大学だと論文を書くことはあまりやらされず、大学の「偏差値」のみが重要視され、「大学ではまともに勉強しない」というのがマジョリティです。
「強者」に論文を書いて頂きたい
私は2本のみ論文を出版という形で世に出しました。是非「強者」(勉強や研究が出来る方)に論文を書いて頂きたいです。
この章では研究の楽しさや方法論(定量分析・定性分析)、論文を書く上で押さえなきゃいけない引用の仕方などを伝えたいと思います!
【参考】文部科学省『資料2-2 日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案(参考データ集)』
https://www.mext.go.jp/content/1407654_009.pdf
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85328303/picture_pc_d82d1e96f48317aca1d3d32b76561131.jpg?width=1200)