一所懸命やっても上手くいかない方の「抑圧」とは何か
『自分と他人を許す心理学』という本からです! よろしければどうぞ!
自分が何を抑圧しているかをはっきりさせる
他人のために、いろいろなことを一生懸命にやるのだけれども、なぜかうまくいかないという人は、まず、自分が何を抑圧しているかをはっきりさせるべきである。
他人に対する敵意を抑圧しているなら、他人のために一生懸命働いても、うまくいくはずがない
他人に対する敵意を抑圧しているなら、いくら他人のために一生懸命働いても、うまくいくはずがない。
自分自身本当はケチでエゴイストであると感じているのに、その感じ方を抑圧して、他人に寛大なふりをしても、うまくいくはずがない。
他人に対する憎悪を抑圧して、善意に満ちた微笑をふりまいても、他人との関係がうまくいくはずがない。
【引用元】加藤諦三.自分を嫌うな―――他人に「振り回されない生き方」のヒント(知的生きかた文庫).(株)三笠書房.Kindle版.
自分は「立派な人間」以下だった
自分はもっと意味のある生産的な仕事をする人間であり、他人と同じようにあくせくする人間ではないと思っていた。
ところが現実はそうじゃなかった。
自分に与えられた仕事はたいした意味もなく、ただお金を稼ぐためのものだった。
さらにはそのお金だって、世間一般ほどに稼ぐこともできず、不満だけが募った。
毎日苦しいのに、幻想の自分の姿には一歩も近づけず、やるせなく、焦り、いつだって満たされない気分だった。
毎日泣きながら帰る電車の中で30歳以降生きれる自信がなかった。
自分が存在しているのはただ生まれたからで、特別な理由があるわけではない
そしてようやく今、自分が存在しているのはただ生まれたからで、特別な理由があるわけではないことに気づいた。
自分はたいした人間ではなく、平凡で不器用な存在であるということ。幻想の姿とはかけ離れていることを悟った。私の自尊感は地に落ちた。
ダメな自分を認めてから逆に自尊感が向上した
毎日泣きながら帰る電車の中で、30歳以降生きれる自信がなかったので、ある決断をした。
人生で最も良い選択だと思っている。そうしなかったら今頃死んでいる。編集部も何も生まれていない。
ダメな自分を認めてから、良い環境のおかげで社内外で4年以上褒められ続ける(勿論けなされたことも沢山あったけど)ようになった。
仕事や人生に大きな意味を見出そうとしなくなった。仕事が楽しいと思ったことも初めてだ。
生きていて初めて、幸せな気分を感じたのもこの頃だったと思う。
自分が何者でもないと認めてから自尊感が普通レベルに向上した。
無駄な「おまけ」の人生を楽しむ
だから、心置きなくこのあてのない旅を生温かく見守っていただきたい。
この答えのない無駄な「おまけ」の人生を楽しんでみるから。
あくせくせずに、流されるまま、どこへ流れつくかもわからないけど、愉快な気分で堂々と。
さあ、無駄な「おまけ」の人生の始まりだ。
【参考】ハ・ワン 著/岡崎暢子 訳(2020).『あやうく一生懸命生きるところだった』ダイヤモンド社