貴方のおかげで、私はとうとうあなたが必要なくなりました。
「それでも生きていく」という本を出版致しました! よろしければどうぞ!
ずっと信じていたものが溶けていったしまった気がした。
そのYouTuberは10周年だった。私は8年間観続けていた。彼らは10周年のこのタイミングで「活動休止」になってしまった。
2日間に続く、メンバーの夫婦間の抗争をX上で観続けて、睡眠不足になり、体調不良になってしまった。そういう方は少なくはなかった。
観たくないけど観てしまうX
観たくないけど観てしまうX。落胆、悲観、心配するファンの声。
「巻き込み事故」に巻き込まれたようだった。
10周年を祝いたかっただけなのに。どうしてこうなってしまったんだろう。
ほぼ毎日更新されるYouTubeが生きがいだった。
行ったことのない中目黒のロールケーキ屋さんに行った
行ったことのない中目黒のロールケーキ屋さんに行った。
彼らがコラボした6色のロールケーキを買いに行った為だ。
目黒川の橋に大行列が並んでいた。
ラウンドワンのコラボにも行った。独りでボウリングをした。
ドラッグストアのコラボにも行った。それは恥ずかしくなかった。日常品を買うついでにコラボ商品を手にいられるから。
愛知県にも行った
彼らは愛知県を発祥としている6人組のYouTuber。登録者は700万人にもいる。
観光大使にもなっていて、街には彼らのパネル、マンホールがあり、写真を撮った。
ついでに発酵パークにも行って、麹と一緒に写真を撮った。
彼らが贔屓にしている公園や城にも行き、ラーメン屋2件にも行った。
ラーメン屋ショップもあったので、ラーメンを2袋購入した。
私の生活の中心は彼らだった。
活動休止中に彼らとコラボしたコンビニのくじが出た
活動休止中に彼らとコラボしたコンビニのくじが出た。
サブチャンネルで楽しそうに発表している彼らは私たちの心配や杞憂を少しでも流してくれそうで、何回も、何回も観た。
その前に出たオンラインのくじはその日の午前中に売り切れになってしまい、Xは【求】と【譲】ばかりで、今回も5万円のレシートをXで晒して叩かれたファンもいたりした。
私もコンビニのくじなんて初めて引いた
私もコンビニのくじなんて初めて引いた。700円を5回引いたから3,500円だ。
3,500円で嘗てあった安寧を取り戻せるなら安いと思った
手元にキーホルダーとノートとマグカップが残った。
安いと思わなかった。3,500円で嘗てあった安寧を取り戻せるなら安いと思った。
ちなみに新進気鋭の別のYouTuberがコンビニくじをして、大量に商品が有り余っているようだった。
私は彼らに一瞥も興味がないから、「ファンの年季が違う、YouTuberとしての格が違う」と心の底では鼻で笑いながら。
ちなみに私は都内にいる、そこらへんにいる、彼らと違って代わりの聞く事務員で。
ちなみに私は都内にいる、そこらへんにいる、彼らと違って代わりの聞く事務員で、「唯一無二」の彼らと違って、ネジが違っても歯車はいくらでも回るのだ。
でも彼らは違う。1人違えば、何か違うし、動画を観ても笑えなくなってしまう。
今回の「活動休止」の決断で、メンバーが1人も減ることがなくなって、私は安堵した。
全てどうでもいい、どうでもいい
結婚、出産、女性のキャリア、病気、AIでなくなる産業や職業。
全部の情報が全部、自分を苦しめる。全てどうでもいい、どうでもいい。
仕事から帰って、部屋の電気を消して、通路側の明かりは付けておいて、真っ暗な中で延々と溶ける時間、彼らの動画を観ながら食べるポテチとゼロカロリーコーラで私の脳は全て溶けていっていく気がした。
それで良かった。外で全て失う、体力と気力をを少しでも動画で補う気がした。
それ以外のことを考えると本当に煩わしい。煩わしい、煩わしい。
でも今回のことで少し冷めた
でも今回のことで少し冷めた。メインチャンネルで「活動休止」を発表した彼らの動画に対する日に日に得る情報によって変わるコメント、手のひらを返したようにサブチャンネルでのコラボ発表で歓喜するファンのコメント。
全て冷めた。彼らに対しても、ファンに対しても。
さて、私はどうしようかな
さて、私はどうしようかな。
私を嬉々とする情報は増えていく口座残高と年末の決算ボーナスのお知らせと給与委細しかない。
もう、やめてしまおうかな。
どうしてやっていくしかないんだろう。本当にやっていくしかないんだろうか。こんな暗澹たる時代で。
そういえば、凄い前だけど、スタッフと芸人を集めたグループが解散して、「私たちも解散します」と言って、自殺した女子高生2人がいたかな。