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内々定取り消しになった22歳男性
「それでも生きていく」という本を出版致しました! よろしければどうぞ!
それを知ったのは、いつも通り最寄りのエクセルシオールカフェでカフェオレを飲んでいた時だった。
2023年度新卒採用において、10月に入ってから47人中20人の内々定を取り消しされた。僕も来年からその不動産社会で働くことになっていた。
どうしてこうなったんだろう
姉「VCから調達できなかったからです、以上!」
東大院卒でGAFAで働いている3個上の姉がミルクレープを食べた。
姉は誕生日のケーキはショートケーキではなく、ミルクレープを食べるという変わった人間だ。
姉「50人しかいないのに新卒50人って最初からやばいか分かるじゃない」
俺「そうだけど、受からないと何も続かないしさあ」
姉はブラインドタッチで社長のLinkedInページに辿り着いたようだ。
姉「東大経済→メリルリンチ→BDG→起業か…最近東大経済学部は外資系に行く人多いよね。こういう職歴テンプレ10人くらい見たわ」
俺「東大から上はもっとよくわかりません」
姉「あ、LinkedInプロフィールあるじゃん。」
姉は目を丸めて、
姉「は?! 2社ともAssociateでやめてんじゃん。要するに歩兵よ。全然そこらへんにいる方より職歴ないよ。3社目受けようとして、国内のベンチャーしか受からなくて、給与レンジ低いのを提示されたから起業したんじゃないかな。
1点擁護するなら最初から外資系に入る方ってこのようにジョブホッピングして、外資系しか受からなくなるのよ。職歴ズタボロで、「平均勤続年数」という概念がないから国内企業の内定が一切取れない。
でも年収が高いから偉そうなんだよね、自戒を込めて言うけど。」
ミルクレープがすぐなくなって、ホット抹茶オレを飲む姉。
姉「私だったら2社目のBCGで片腕がもげたとしても5年続けるかな」
目はマジだった。
俺「外資系って何で早くやめる人多いの?」
姉「仕事がきついか、本社からfireの指示のどちらかですね。日本支社なんていくら売り上げが全体の3割が日本を占めても何も権限ないから」
この社長の経歴の時点で受けない
姉「私だったらこの社長の経歴の時点で受けないね。だって、社長より能力が高い方ってその会社に入ったら一生会わないのよ。私は優秀な方のみと仲良くなって仕事がしたい。執行役員や部下を慶応や中央で固めているのも、底が知れているって感じで、私だったら最初から受けない。先ず社員50人で何で50人新卒採用すんだよ、経済学部出てるくせに算数が出来ないね。」
俺「俺から見たらそいつら全員優秀そうに見えるんだよ。受けて内々定取り消しになった俺はどうしたら良いんだよ」
姉「10月採用の会社を受けるか、院だな、でも院って冬ってそんなに募集していないから会社受けていた方が良い」
AGBという会社は2021年4月から9月にかけて40人に内々定を出した、そして20人内々定取り消した
AGBという会社は2022年4月から9月にかけて40人に内々定を出した。
11月4日には「弊社新卒採用手続に関するお詫びと対応について」と題したプレスリリースをコーポレートサイトに掲載。
事態の原因について、AGB代表取締役CEOの名義で「選考の最終プロセスの結果によっては内々定を取り消す可能性があることを十分に説明できていなかったことが混乱の原因」「新卒採用2年目の弊社に採用活動・運営における業務経験が浅く(Associate2年で何も出来るわけないだろ(作者・姉談))、『内々定』という社会通念への認識も不足していた」などと説明。 内々定を取り消した20人に対しては「最大限の誠意をもって個別にご対応させていただく為、既に弊社よりお詫びのご連絡を開始している」とした。
姉「外資系ではないんだよね?リファレンスチェック、新卒にはやらんし、普通に内々定を取り消す」
俺「うん」
姉は遂にホット抹茶オレを飲み切ってしまった。
内々定取り消しから1カ月、騒動後からわずか数日で提示された30万円の「解決金」
姉「は?! 30万! やす!」
内々定者には宅地建物取引士資格試験(宅建)の教材を提供し、資格取得のため勉強するよう提案した。
その後、9月28日には内々定者向けに座談会を開催した。
座談会は社長やCFO/CLOらが参加しており、「さながら役員面接のような内容」(参加した学生)だったという声もある。
この座談会と、座談会前に行われた内々定者向けのアンケートが本当の意味での最終選考──つまり21人の内々定取り消しの判断をする場になった可能性が高い。
11月2日からの数日間で、AGBは内々定を取り消した20人に対してメールで謝罪した。
合意書へのサインと解決金30万円の支払いをセットで提案した。
合意書の内容は本件について今後一切の異議申し立てなどを行わないことや、この合意書の内容および、合意書の存在自体についても口外しないといった内容だ。
同様の事例では、解決金として55万円の支払いを命じた福岡高裁の判例もある。
姉「労働審判するしかないじゃん、150万くらいまでレイズするんじゃないの?20分の1くらい誰か旗上げないかしら」
俺「まあ次を探すからそれどころじゃないんだよね」
姉「そうね。X社大量解雇されたときに弁護士さん無料で相談受けますばっかりだったね。学生20人だからそこまでいかないか。お金持ってないだろうし。」
内々定取り消しからは1カ月が経過していたが、Xでの騒動から、わずか2、3日でのスピード対応となった。
姉「まあXで明るみになってから、世間的に明るみになって良かったね。」
俺「うん、もうマイナビとリクナビで冬採用をざくざく応募していくしかないね」
姉「うんうん、前向きで何よりっす!」
俺「うん、やるしかないっすやるしか。生きる為には」
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