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「部下とのコミュニケーション」で気を付ける点とは

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小さな当たり前を褒める

 自分がどのようなときにやる気になるのか、分かっている人は案外少ない。
 また、やる気は常に上がったり下がったりしているものです。

上司の役割は、部下の「やる気スイッチ」を見つけること

 上司の役割は、部下の「やる気スイッチ」を見つけることです。
 そして、その機会を作ることができれば、なお良いでしょう。
 著者が新人CAだった頃、小さな子供へ冷たい飲み物を提供する際は、飲みやすいようにフタとストローをつけて出していました。
 また、飲み物を倒しても大丈夫なように、その親にも同様に飲み物を提供していました。
 これはマニュアルに載っていたことではなく、先輩を見て学んだことであったのです。

「当たり前のことでも、ちゃんと見ているよ」

 ある時、先輩が著者のその行動を見て、「お母様にもストローをつけて渡してくれたのね。ありがとう」とわざわざ声をかけてくれました。
 著者は感激し、やる気が高まるのを感じました。
 部下のやる気は、「当たり前のことでも、ちゃんと見ているよ」というメッセージを感謝と共に伝えることで、引き出すことが出来るのです。

部下の「やりたくないこと」を知る

 部下やチームメンバーの「これだけはやりたくないこと」を知っている人は、どれくらいいるのでしょうか。
 「避けたいこと」は、「大事にしていること」と同じくらいやる気に影響を与えるものです。

「仕事をする中で、絶対にやりたくないことは何?」

 仕事で大事にしているものを尋ねても答えが出てこないときは、「仕事をする中で、絶対にやりたくないことは何?」と質問を変えてみましょう。
 「数字を扱う仕事が苦手」というような業務そのものの場合もあれば、「人とのトラブルは避けたい」というように環境の場合もあります。
 合わない環境で合わない仕事を振ると、メンタルを壊したり辞めてしまったりすることも起こりかねません。自分もメンタルを壊してしまいました。

万能な人は本当に必要なのか

 どのような仕事もこなし、どのような環境にも耐えられる万能な人は本当に必要でしょうか。
 「何事も経験だから!」と全ての部署を一回は経験させるという慣習が残っている企業も多いでしょうが、その仕組みを見直す必要があるかもしれない。

任せたら見守り、否定をしない

 「主体性を発揮して仕事をしてほしい」と考える組織は多いが、長年トップダウンが多かった組織・体制を変えることには苦労が伴います。
 何故なら、メンバーは「意見を出す」ことに慣れておらず、会社の方も「任せる」ことに慣れていないからです。
 そのようなとき、著者は上司の人たちに、「一見スピードが落ちるように見えても、最初は見守ってほしい」とお願いしています。

「そもそも、この計画自体必要なのか?」

 しかし、最初は見守っていても、メンバーが行動計画を出したところで「そもそも、この計画自体必要なのか?」とひっくり返してしまう場合もある。
 するとメンバーは「どうせ上司の思い通りの内容にするのであれば、無駄な会議はせずに、トップダウンで指示を出してくれたらいいのに」と思ってしまいます。

余程のことがない限りは否定しない

 このような時上司は、意に沿わない内容だったとしても、余程のことがない限りは否定しないようにするべきです。
 メンバーは自分たちが立てた計画が実行されれば、意見が採用されたことで自信を持つことが出来ます。
 それを繰り返しながら、徐々に「行動計画の質」を高めていけるのです。

まとめ 「おもしろいね。やってみてよ」と伝える

 任せる際には、「イマイチだから、こうして」ではなく、「おもしろいね。やってみてよ」と伝えましょう。
 こうした伝え方ひとつで、組織は主体的なものへと成長していくはずです。

【参考】比嘉華奈江(2022).『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』.ダイヤモンド社