見出し画像

南国あるある タイル事件(2)

夫と新しい家の候補を見に行ったのが、2月9日でした。
私は2月12日に自分の家に戻り、夫はもうしばらく田舎に滞在することになりました。

2月13日の晩、私がダイニングでクロスステッチをしていると、突然音がしました。
「バン! バン! ババン! ババンババン!」
というような音です。

花火?
この時はまだ旧正月で、夜になると近所で花火が上がりました。
が、花火の音とは違うようです。
それに、音がしたのは家の中です。
家には私しかいないはずなのに。

「誰かいる? いや、ちゃんと鍵をかけたから、人が入れるはずがない。
 動物が入って、何か物を倒してる?」
この音を聞くのは初めてで、何の音なのか見当がつきません。
本当に怖かったです。

音がやんでから恐る恐る見てみましたが、誰も、何もいません。
「ああ、よかった」と思ったのはつかの間、また「バン!」という音がしました。
そして、床のタイルが盛り上がっているのに気が付きました。

とりあえず、写真を撮って夫に報告。

その後も断続的に「バン! バババン!」という音が続きました。
音がするたびに、別のタイルが盛り上がったり、盛り上がったタイルがさらに盛り上がったりします。

地震かとも思いましたが、揺れは感じませんでした。
そもそも、マレー半島部では地震が起きません。
まるで床の下で龍が動き回っているようです。
龍のはずはないのですが、いまにも動物が床を壊して出てくるんじゃないかと、怖くて怖くてしかたがありませんでした。

(つづく)


サポートをいただけたら、他のクリエイターのサポートに使わせていただきます。