【HOLG共催ゼミ初開催!】シティプロモーションとシビックプライド事業の実践(GRゼミ9期第8回 2021年12月28日)
GR人材育成ゼミ9期生のばななです!
今回は、なんと!
地方公務員オンラインサロンのメンバーと合同ゼミでした。
▼地方公務員オンラインサロンとは
現地・オンラインともに様々な地方公務員の方とご一緒させていただきました。
今回のゼミでは、牧瀬稔さんに来て頂き、「シティプロモーションとシビックプライド事業の実践」というテーマでお話いただきました。
牧瀬さんは、現・関東学院大学法学部地方創生学科准教授で、自治体政策学、地域政策、地域創生、行政学などを専門とされている方です。
以下、今回学んだことをまとめています。
みなさんは自治体の役割とは何か、ご存じですか?
地方自治法の規定では、「住民の福祉を増進すること」とあります。
福祉とは、よりよく生きることであったり、広義では幸福を意味します。
つまり、自治体の役割は「住民の幸福感を増進すること」ということなんですね。
では、人口減少していく社会の中で、どのようにして住民の福祉を増進するのでしょうか。
地方の人口減少問題を解決していくというのが『地方創生』ですが、これまでは地域間の競争で、地域間で労働人口を取り合う、ということをしていました。
しかし、これからは共創の地方創生。
自治体と住民が”共に”新しい価値を作り上げていくことで、地方創生をしていくことが重要になってきます。
そこで、共創の手段として最も大切なのが、シビックプライド。
シビックプライドとは、「自分の住んでいる都市や地域に対する誇りや愛着」という概念で使われている言葉です。
住民が当事者意識をもって地域課題に取組み、その地域の住民としての自信をもって生き生きと暮らすビジョンが想像できますね。
「では地方自治体として、シビックプライドに取り組む目的は何か」
ということをグループで考えてみました。
答えのひとつとしては、人口維持・増加が目的で、市民のシビックプライドが高まれば、市外への転出も少なくなり、来訪者の中から定住を希望する人も出てくるため、というものでしたが、
『住民が住んでいる場所に自信を持って生きるということは、直接その人の幸福感に結びつくのではないか』
という意見もでていて、その通りだと思いました!
では、どのようにしてシビックプライドを醸成するのでしょうか?
これまでの地方創生では、他の地域から市民を呼ぶために、対外的な投資をしていました。
例えば、
『この町に引っ越して来たら家賃を補助します!』ですとか、
『この町は自然豊かで穏やかなところです!』と広告を出したりですとか。
しかし、シビックプライドを醸成するためには、対外的な投資よりもむしろ、今住んでいる住民へ投資して転出を増やさないということが重要なんだと学びました。
今住んでいる人が自分の地域を好きになれば、転出が増えないことももちろん、他の地域に住んでいる人が「この町、いいな」と思って転入して来ることも考えられます。
このようにシビックプライドの醸成は直接人を呼び寄せるものではないため、シビックプライドはなかなか効果が出るのが遅いそうです。
しかし、シビックプライドは、一度効果がでると持続するという特長を持っていて、温まるには時間がかかるが一度温まると冷めにくい「大きいヤカン」に例えられていました。
シビックプライドに加え、その地域や地域の人々に仕事など様々な形で関わる人(=関係人口)を増やすことで活動人口を増加させ、地域を活性化できる、ということも学びました。転入を考えてもらう機会をつくるということですね。
このように、市民がシビックプライドを持つことこそが、転出による人口減少を食い止め、転入による人口増加を長期的に伸ばすための手段であるということがわかりました。
みなさんは自分の住んでいる地域に対してシビックプライドを持っていますか?
『うちの住んでいるところは何もないからなあ』と言わずに、
自分の地域に『ある』ものを探してみることが大切ですね♪
以上、ばななでした。
次回のゼミ活動も楽しみ!
▼お問い合わせはこちらまで
一般社団法人 日本GR協会
E-mail:seminar@graj.org
HP:https://graj.org/seminar/
FBページ:https://www.facebook.com/yoshida.yuto.seminar