チーム発表「ひきこもりを社会課題から再定義する」&GRゼミ大同窓会(GRゼミ10期 第13回 2022年8月2日
今回のレポートを担当するのはオードリーです。
レポート作成も2巡目。長いように思えたゼミも、徐々に終わりを意識する時期となりました。寂しいような、ほっとするような…。
8月2日のゼミは、2部構成。前半は3回目となるチーム発表回。後半は、過去9期までのGRゼミ受講者にもジョインいただいての大同窓会でした。
チーム発表会
今回のテーマは「ひきこもりを社会課題から再定義する」。前々回、「認定NPO法人育てあげネット」の理事長、工藤啓さんに伺った内容をもとに、2週間かけて各チームで取り組んできました。
ここでは、超個人的な印象をもとに、各チームの発表のポイントを紹介します。
<各チームのテーマと発表概要>
1.「カオスのかぼす」チーム:発表者 ビリー
とても丁寧に緻密に、「ひきこもり」の定義について考察していた「カオスのかぼす」チーム。従来の「ひきこもり」が外出の頻度をもって定義づけられている、実際に外出しなくても就業したり目標を持ったりする人が存在することに着目。「“ひきこもり”自体は「現象」。直ちに「悪」ではない。」とし、「本人と周囲の幸せの対立が問題」であると結論付けました。
その結果、外出しなくても、オンライン環境を使って外部とコミュニケーションをとっている人に対するサポートをメタバースの環境で行うという解決策を提案しました。
昨今のパンデミック以降、オンラインでコミュニケーションがあたりまえになった状況をふまえると、今回の提案のように、オンラインを前提で、ひきこもりについてもとらえなおすいつ用があると認識を促されました。
2.「アイのスパイラル」チーム:発表者 きざっち
ネガティブなニュアンスのある「ひきこもり」という言葉。これを思いっきりポジティブに降ったのが、こちらのチームでした。
すなわち、
・ひきこもりとして支援が必要な人=「外出したり、社会とつながることで、一定以上の人生充実度が向上する」人
・引きこもりしている期間=自分の道を見つけるための着実に進化する時間=さなぎタイム
…と定義しました。
施策の提案は、さながら、さなぎが蝶に羽化するプロセスを見守るサービスです。
名付けて「さなぎタイムお仕事プロジェクト」。
ZoomのようなWeb会議サービスを利用して、「ひきこもり」とされていた人が、見守りが必要な人・動物の見守りの仕事を行うというプロジェクトです。
見守り対象やサービス内容によって難易度を設け、仕事を通じてコミュニケーション力のステップアップを図っていきます。
「アイのスパイラル」の案は、2つの発想の転換があります。
ひとつは、「ひきこもり」をポジティブな期間としたこと。
二つ目は、ひきこもり当事者を、「見守られる」対象から「見守る」側に置き換えたこと。
プレゼンを聞くうちに、「おお…そう来たか!」と、わくわくするような気持ちを覚えました。
3,「オープンイノベーター」チーム:発表 わたし(=オードリー)
最後に発表したのは、われらが「オープンイノベーター」です。
これまでの二つのチームと大きく異なるのは、「ひきこもり」をあえてポジティブにとらえなおさず、むしろ問題としたまま、その範囲を広げたことといえるでしょう。
広げた対象は「家事手伝い」です。
「家事手伝い」は、内閣府の調査では対象外とされたため、そもそも実態がよくわかりません。しかし、家に長時間いて、自分で輸入を得ていないとなると、将来は社会「福祉の対象となる可能性が高い層といえるでしょう。
実際、この層について実態を調べた地域もありました。その結果によると、当事者たちも「このままではいけない」と不安に思っていることがわかりました。
「家事手伝い」が「ひきこもり」から除外された背景には、社会通念上、女性は「家にいる」ことが性別役割認識として期待される傾向が強く、家にこもっていることも許容されやすいというジェンダーへのバイアスがあると考えられます。
そこで、「家事手伝い」という名前から、「かじこもり」と新たな名前を付けることで、従来のイメージからの脱却をはかり、社会課題として対策を打っていこうというのが提案の趣旨でした。
調べていくうちに、そもそも引きこもり状態になった原因が、痴漢被害であったり、職場のセクハラであったりという例が多く、ジェンダーの問題も根強いことに再認識を促されました。
大同窓会
後半は、これまでのGRゼミ卒業生まじえての大同窓会です。
ここで、先輩組と現役組と、それぞれから近い将来の国政への出馬発表が飛び出すというハプニング!(ご本人は狙っていたと思うのですが)
考えてみれば、そもそもここは、政治とビジネスをつなげる場。そういった人が出ても不思議ではない。改めて、自分以外の受講者の本気度を再認識しました。同時に、自分はこれから具体的に何をしていくのかと、問いかけられているような気持になりました。
そのあとは、会場参加組とオンライン参加組とに分かれてお楽しみタイムに突入。
私の参加したオンライン組は、ここで先輩に紹介されたゲームを実施。
名前はわからないのですが、グループのメンバーに割り振られた数字(最大値は100)を、何かの状況になぞらえて表現。その表現をもとに、数字の順番を推測して並び替えるというものです。
たとえば、表現の状況を「ペットボトルの水」とした場合、「80」を割り振られた人は「あとちょっと」を表現。「30」の人は「足りない」と表現したとします。
その表現から、それぞれの数字の順番を推測するのです。
どんな表現をするのかはその人の主観にゆだねられています。もしかすると、自分は「30」を「あとちょっと」と表現するかもしれない。他の人がどういう表現をするのかを想像しながら、自分の表現とのギャップを埋めていく面白さがありました。私のライフテーマでもある「ダイバーシティ」にも通底する妙味だったように思います。(すでに記憶があいまいなので、正確ではなかったら失礼!)
お楽しみゲームでも、ついつい自分の仕事に引き付けて考えてしまうワーカホリックなオードリーでした。