SCU物語〜問題爺〜
きっともう誰も楽しみにはしていないのだろうけど、脳梗塞で入院し、SCU(脳卒中集中治療室)に居た時に遭遇したクセツヨ患者さん(自分以外全員ご老人)について。
あまり記憶は風化していない不思議。よっぽど印象にあったのかなあ…。
前回のA村さんのもう一つ奥の病床と思われるB山B助さん。当時は体が動かず、カーテン越しに声が聞こえるだけなので位置は曖昧なのですが。
まあーこのB山さん、口が悪いし、看護師さん
が辟易してるのが声でわかるぐらい死ぬほど喋る(死にかけでSCUに救急搬送されたのにね☆)。
看護師「B山さん、携帯で電話しないでください」SCU内はいかなる場合でも通話禁止です。それに対して
B山「今、店(自営していた様子)の口座の暗証番号わからんくなったから銀行に聞いてるんや!静かにせえ!」
と言いながら家族に電話している声が聞こえる。銀行やからOKとかでもないからな…?それに銀行に電話したところで暗証番号は教えてくれません。何回注意しても通話する問題爺。
また別の日には…
B山「あー、痛い。喉乾いた。水!水持ってこい!」
看護師「B山さんが1日に飲んでいい水分の量は決まってます。午前中に全部飲んだらもう飲めなくなるんですよ?」
B山「そんなん知らん!今飲みたい!意地悪せんといてくれ!あーーー、痛い!喉乾いた!あ、屁出た!臭い!」
語気が荒くなると共に、どうやら暴れ出した様子。
看護師「ちょっとB山さん!背中に管通ってますから動かないでください!管抜こうとしないで!」
B山「なんでや!こんなん要らんやろ!ワシは売店に行くんや!」
看護師「要るものがあれば代わりに買ってきますから動かないで!何が欲しいんですか?」
B山「コーラとわらび餅」
いや、無理無理無理!!!
看護師さんの声と良田の心の声がシンクロした瞬間です。
時はコロナ禍の12月。院内にコンビニはあるけどわらび餅あるか…?いや、あったとしてSCU入ってる患者に買い与えるのは不可能。
どうやらB山さんは自分は元気で、自分が言えばいつでも退院できると思い込んでいる様子。看護師さんに罵詈雑言も浴びせるし、すぐにキレる。
多分脳に何かしらがあってその影響なんだろうな、そうでないとあまりにもただの傍若無人爺…。
あまりにもな中、お医者さんの問診?がありました。
B山「もうね、こんな所いてられませんわ!いつ出れますの」
先生「え?退院?無理無理無理!今動ける状態じゃないし、少なからず年内は確実に退院できませんよハハハー」
現実突きつけられてショックだったのか、それ以降その日1日はピタッと静かになったB山さんでした。翌日は元には戻ってたけど。
あれから約2年半…B山さんわらび餅食べられるようになったかなぁ。
つづく
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