スターバックスと行動経済
サードプレイス
スターバックスのCEOだったハワード・シュルツ氏によれば、
スターバックスはコーヒーを売っていません。
確かにコーヒーを売っているように見えるかもしれませんが、
本当に売っているのは「第3の場所」と言われる、
サードプレイスなのです。
これがスターバックスのもともとのコンセプトです。
スターバックスの誕生
1971年、スターバックスは、
アメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開業しました。
創業当時はコーヒー焙煎の会社に過ぎなかったのですが、
1982年、後の会長兼CEOのハワード・シュルツが入社。
1985年、スターバックスを退社したシュルツは、
1986年、イル・ジョルナーレ社を設立します。
エスプレッソを主体とした、
テイクアウトメニューの店頭販売を開始。
これが当たりに当たります。
1987年、シュルツはスターバックスの店舗と商標を購入。
イル・ジョルナーレ社をスターバックス・コーポレーションに改称、
スターバックスのブランドで、
コーヒー店チェーンを拡大して行ったのです。
スターバック拡大の背景
1987年、アメリカはレーガン大統領時代でした。
ニューリベラリズムと言われる新自由主義…
競争社会かつ自己責任の時代です。
アメリカ社会の構図が見えて来ますね…
セカンドプレイスと呼ばれる職場では、
コンペティションと呼ばれる競争社会です。
より成果主義が実態として浮き上がって来ますね。
休める場所へ
アメリカ人独特の感覚ですが、
ファーストプレイスである自宅に帰っても、
自分の配偶者の前では、
常に一番素敵でなければなりません。
日本人とは違うのです…
「I love you, honey」
と言うふりだけでもしないと、
離婚となってしまいかねないそうです。
離婚は即裁判ですからね…
家庭でもテンションが高くないといけません。
サードプレイスの原点
当時の時代背景を考えますと…
「日常的に30分間だけ駆け込める避難所」
こう書くとネガティブかもしれませんが、
ファーストプレイス
セカンドプレイスの背景を考えれば、
第3の場所であるサードプレイスを30分利用する事で、
落ち着ける場所があれば、
更に仕事効率が上がるのは分かりますね。
当然コーヒーも付いてきますので、
リラックスするのに最高ツールです!
これが「第3の場所=サードプレイス」を売る!
というコンセプトの原点なのです。
スターバックスの強さ
スターバックスコーヒージャパン
平成26年3月期の決算を見て行きましょう。
Foodの食材費原価率28.3%
Laborの人件費率26.7%
FL比率コストは合計で55%です。
FLRコストは70%以内ですと、
優良店でかなり収益性が高い店舗です。
スターバックスはFL比率コストが55%でしたので、
優良店の70%で見ても…
rentの家賃が売上の15%まで掛けられます。
平均で見ますと月商1,000万円はありますので、
1,500,000円まで家賃を出しても、
優良店を維持できるのです。
月額150万円家賃…
これは結構いい場所に出せますよね?
だからスターバックスは強いのです
スターバックスと行動経済まとめ
どうでしょう?
行動経済的に学びが多いと思いませんか?
コーヒーを売っているのではなく、
サードプレイスを提供している。
スターバックス事業を基にした書籍は、
とても多いです。
私は自分にも言い聞かせ、
情報をまとめる為に記事を書いています。
スターバックスを作れと言っているのではなく、
「人間は感情で動く」と言う事を大前提に、
行動経済を理解する事で、
環境変化に対応出来うる対応力が、
身に付くと感じるのです。