X-E3を持って毎日を旅のように
X-E3を迎えて3週間ほど経った。新しいカメラを手にしたということでテンション、モチベーションが上がっている、ということもあるだろうけど、それを差し引いても写真を撮る量が格段に増えた。
別に、前使っていたカメラが悪いわけではない。むしろ防塵防滴、手ぶれ補正も入っていてコストパフォーマンスに優れているというカメラだったわけで、アウトドアシーンにおいてタフネスに活躍してくれた。しかし、最近子供が産まれたから、ということもあって山や川に出向くことがほとんどなくなってしまった。また、SNSで見る写真の影響もあるだろうが、日常を写した写真に魅力を感じるようにもなってきていた。元々は風景写真、絶景写真に憧れていたが、カメラを趣味とする人が増えた今日、その写真を自分が撮る必要があるのだろうか?と疑問に思うことが増えた。自分が写真を撮る意味、何のために写真を撮るのか、と考えると、その時、その場所で、何を感じ、考えていたか、ということを思い出させるひとつの装置的な役割を果たすと思う。僕は元来忘れっぽいタチのようで、友達の顔とか、2ヶ月先のこととか、覚えておくべきことを覚えていられないことが多々ある。だからこそ、なんてことはない風景でも、なにかを感じた時にシャッターを切り、思い出せるようにしたい。不思議なもので、写真を見るとファインダーを覗いていた前後の情景を思い出せるのだ。
そういった撮影スタイルに変化したため、カメラは極力軽量コンパクトにしたかった。でもファインダーを覗くという行為を省きたくなかったためGRなどは候補から外した。また、将来子供の運動会とか、色々なシチュエーションに対応できるように考えるとレンズ交換システムは必要。ということでX-E3を選んだ。
X-Eシリーズはスナップシューターとして作られている。正直、カメラが変わったからといって撮影者が同じであれば撮る写真は変わらないと思っていたが、これもまた不思議なもので、レフ機を使っていた頃に比べスナップの量が増え、質も変化したと感じる。これは、やはり軽くてコンパクトなことがカメラの持ち運び頻度を増やしていること、カメラの存在感が比較的少ないことにより街でカメラを構えていても不自然にみられないこと、などが要因として考えられる。
また、僕は家族や人の自然体な写真が好きなのだが、レフ機に比べ被写体に対する威圧感やカメラの存在感が少ないことで、以前よりリラックスした自然な写真が撮れるようになったと感じる。
そして、やはり、というべきか、FUJIFILMの特徴でもあるフィルムシミュレーションが非常に良く、撮って出しでほぼ完成されているため、撮れば撮るほど撮影意欲が湧いてくるし、撮影後の手間も少ないため、撮影に集中できる。カスタムも奥深いため飽くことなく追求できる。
外観はシンプルで道具感もあり、コンパクトなレンズをつけて助手席に放っておくと、ふと、車を停めた時に目に入った風景が、旅先の、知らない土地なのに見たことがあるようなどこか懐かしい風景のように感じられる。
X-E3はいつもの通勤路やただのドライブがちょっとした旅のようになる不思議な道具だ。
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