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色を科学する その⑬ 🌈虹の7色は錐体分光感度が創る
虹の色の話ですが、色彩工学なので、「ニュートンが音階と結び付けて…」ではなく、錐体分光感度との関係を解説します。下手すると虹が3色だった可能性も!
「色を科学する その⑫」では、下記のような話をしましたが…
3種の錐体があると、1、2種の場合と比べ、多くの色を見分けることができ(もちろん見分けられない色もある)、それは、色を3種の錐体の出力比で色を識別するからでした。
実は、単に3種類あればよいというわけではないのです。
感度のオーバーラップが重要
スペクトル=虹は下記のように、連続的に色が変化し、いわゆる"7色"を呈しています。つまり、380nm-780nmの単色光を見ると、(三色型色覚の人には)このように見えます。
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実は、このように、連続的かつ"7色"に見えるのは、LMSの各錐体分光感度に起因しています(ニュートンが言ったように、光線に色があるわけではなく、我々の目や脳の処理の結果)。そして、下手すると虹は3色となる可能性もあるのです。
以前の記事でも書きましたが、LMS錐体の分光感度にはオーバーラップ(重なり)があります。特にL錐体とM錐体のオーバーラップが大きいです。この形状やオーバーラップ度合いが、虹の7色を決めているのです。
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波長のレンジが他のグラフと違うので注意
オーバーラップがなかったら?
オーバーラップの重要性は、それがなかったケースを考えるとよくわかります。下記のような3種のセンサーを仮定してみましょう。
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この場合、スペクトルはどう見えるのか?、前回同様に、380-780nmの単色光が、同じ光の量で入射した時の、各センサーの出力を見てみると…
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