党首討論で選択的夫婦別姓が議論される
先日(2019年6月30日)、参院選に向けての党首討論がありました。その中で「選択的夫婦別姓制度」についての議論(開始20分前後のところ)がありましたので、こちらにそのやり取りを書き起こし、私の所感を書き加えます。
立憲民主党・枝野党首 「人口減少社会である日本においては、多様な今まで労働マーケットの中で活躍できなかった方に、ますます活躍していただかなければはならないと思っています。特に、女性の経済分野も含めた社会参画が重要ですが、その社会参画を妨害している大きな要因は、日本は結婚したら同じ氏を名乗ることを強制されていることです。選択的夫婦別姓制度は、女性の社会参画のために不可欠だと思いますが、安倍総裁のご意見を伺いたいと思います。」
自民党・安倍総裁 「社会参画のために不可欠だという風におっしゃたんですが、この6年間で働き始めた女性、250万人、働き始めました。いまや25歳以上のすべての世代で、女性の就業率は、あのアメリカを上回っております。そして、男女間の収入の格差も、一番小さくなってきています。言わば、夫婦別姓の問題ではなくて、しっかりと経済を成長させ、みんなが活躍できる社会をつくっていくことではないかと思います。」
司会・夏野さん 「安倍総裁、今のご返答は、選択的夫婦別姓制度は要らないというご返答でよろしいでしょうか」
自民党・安倍総裁 「我々は経済成長とは関わりがないという風に考えております。」
と、「経済」の文脈の中で「選択的夫婦別姓制度」が議論されました。
ここに、いくつか事実を付け加えます。
・2018年の経済成長率ランキングで世界191ヶ国の中で日本は166位。アメリカは107位。(世界の経済ネタ帳「世界の経済成長率ランキング」)
・男女間の収入格差は、OECD加盟国(36カ国)の中で日本はワースト3位。アメリカはワースト7位。(2018年8月のBusiness Insiderの記事)
・2018年のジェンダー・ギャップ指数で、日本は149カ国中110位。先進国首脳会議(G7)の中では最下位。アメリカは51位。(内閣府のHP)
・働く既婚女性の77%は、選択的夫婦別姓制度に賛成している。(2015年3月の日経新聞の記事)
いかがでしょうか。
果たして、日本において女性が働く環境は整っているのか。選択的夫婦別姓制度は経済成長とは関わりがないのか。
強制的に名前を変えさせる現行制度は、精神的苦痛を生むだけでなく、変更の手間、旧姓との使い分けコストとリスク、多額のシステム改修、国際的なブランド毀損などを生んでおり、経済的に見ても多くのマイナス面があります。詳しくは、私のnote「強制的夫婦同姓のここがダメ!」をお読みください。
また、選択的夫婦別姓制度は女性だけの問題ではありません。改姓を強制された男性も同様の苦痛を味わい、そして経済的な不利益を被っています。
国民の幸福度を下げ、国益を損ない続けている現状に問題を感じるみなさん、