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随想・あの歌声がなぜ耳の底にこびりつくのだろう。。。

昨年の終り頃だったろうか、偶然、ユーチューブで「韓日歌王戦」だったか「日韓歌王戦」だったか、はっきり思い出せないが、こういうタイトルの番組を見て以来、この番組から派生した日韓両国の出場歌手たちの動画を繰り返し、繰り返し見ている。

私が知り得た限りでは、この歌王戦のオリジナルのアイデアは、韓国のある女性プロデューサーが考え出したもので、韓国のプロのトロット系歌手たちと、日本のオーディションを勝ち上がってきた歌手たちの間で、「歌合戦」を行い、審判団、観客の投票によって勝ち負けを決めるという形式で行われる。

トロットというのは、日本の演歌の源流とよく言われているようだが、中にはそうではなくて、トロットと演歌は別物だという考え方もあるようで、私にはよくわからない。私の個人的な解釈では、トロットというのは韓国の「歌謡曲」ではないかと思っている。いわゆるK-Popと呼ばれている今日風の曲とは違う。

そういう事柄は、私にとっては大事なことではない。

この歌王戦で日韓の歌手たち(今のところ、歌王戦の本戦では女性歌手同士の対戦になっている)が歌う歌がとても素晴らしいのだ。

本戦以外の歌謡ショー的な番組、これには本戦に出場する歌手以外のゲスト・シンガーも登場するし、男性歌手も出演するが、ここで歌われる歌もとてもいい。

韓国の歌を日本の歌手が韓国語で歌ったり、反対に日本の歌を韓国の歌手が日本語で歌うこともある。

なぜ彼らの歌が魅力的に聞こえるのか。。。一つには、日本の歌がほとんど昭和のヒット曲だからではないか。

私がカナダに渡ってから50年以上たつので、私と昭和歌謡曲との空白期間も相当長い。この歌王戦では、私が日本にいたころに流行った日本の歌も歌われるが、多くの曲は私が渡加してから日本でヒットしたものが多い。そのため、私がほとんど知らない曲だが、韓国の歌手の間でもよく知られているような歌が多くあるのだ。

その一例が近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」だ。私はこの歌のことを全然知らなかったが、聞くところによると韓国では中年以上の多くの人たちの間ではよく知られているそうで、実際、日本の若い女性歌手が踊りながら歌いまくると、大変な盛り上がりようだった。

韓国のティーンの女性歌手が日本語で「津軽海峡冬景色」を絶唱したが、実に素晴らしかった。彼女はほかに島倉千代子の「人生いろいろ」をもちろん日本語で歌ったが、彼女の艶やかな歌声が私の耳の底にこびりついて離れない。

私は韓国のトロットのことがよくわからないし、韓国語の歌詞の意味もまったくわからない。でも何となくわかるのは、歌王戦で日本の歌手が韓国語で歌うトロットは、日本の昭和歌謡のように古い名曲であることが多いようである。そういう曲の中には、うっとり聞き惚れるようないい歌がある。その一例が歌心(うたごころ)りえという51歳の歌手が歌う「別離」という曲。彼女は日本語と韓国語を交えて歌うが素晴らしい歌唱力である。

韓国のプロ歌手たちと競い合って、日本のほとんど無名だったオーディション上がりの女性歌手たちが堂々と歌いまくるこの歌王戦シリーズ、これからも続いていってほしい。


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たなかよしあき
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