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指伝話メモリ:スイッチを使ったペア発表

 1スイッチを使ってページめくりを自分のペースでする、めくって・タップ という方法を以前ご紹介しました。(https://note.com/yoshi_yui/n/nbaaff6a345b1

 この方法だと、わずかに指を動かすだけの操作でも、口元や目元を少し動かすだけの操作でも、指伝話メモリで作った絵本や紙芝居を、スイッチを使い自分一人でページをめくり読み上げることができます。

 この方法を使えば、自分一人で自己紹介をしたり、スピーチをすることができる!ということになります。

 ところが、緊張してスイッチを2回押してしまうこともありますし、痙攣や不随意の動きでカチカチカチってスイッチを押してしまうこともあります。そうすると、まだ読み上げているのに次のページに移ってしまい、次のページを読み上げてしまうことになり、あぁぁ...って思うかもしれません。

 そんな時には是非、サポートしてくれる人(サポーター)と発表者がペアを組んで、失敗しない方法を試してみてください。

準備したもの

 アプリは 指伝話メモリ です。スイッチを2つ使います。スイッチを接続するために、スイッチ接続キット(変わる君) を使います。

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 ちなみに、変わる君はもともとはWindowsPCでゲームをする時に、1つのスイッチで複数の操作がまとめてできるようにするために作られたそうです。それをiPadでも使えるようにファームウェアを書き換えたものが、スイッチ接続キットに含まれる変わる君です。

 変わる君には2つのスイッチが接続できます。指伝話メモリとの相性が良く、現在標準になっている変わる君の設定「めくってタップ・ボタン」では、ジャック1のスイッチは「→1」のキーが、ジャック2のスイッチは「2」のキーが送られます。

 変わる君のこの設定を利用して指伝話メモリを使うので、iPadOSのスイッチコントロールを使わなくても操作ができます。(この点は、支援者にも大好評です。みんな設定でつまづいてしまうんですよね。)

絵カードの仕組み 

 普通、紙芝居や自己紹介カードは、1つのセットの中に何枚かの画像を入れ、1枚ずつの画像に対して読み上げ音声をつけていきます。そうすると、めくってタップすることで、1スイッチでも次々読み上げができます。それだと、カチカチとスイッチを押してしまうと、ページが2回めくれてしまうのが問題です。

 今回は、次のように、1枚の画像で読み上げるものに対して、a と b の2種類のセットを作ります。1つずつ別々のセットにしていきます。

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 上の図で、発表1a発表1b そして 発表2a はそれぞれがセットです。

 aのセットは、2枚表示にします。1枚目のカードはタップしても何もしない設定です。2枚目のカードは、読み上げ音声を入力しておきます。また、タップ後のアクションで、 b に移動するようにアクションを設定します。

 次に bのセットを作ります。ここにはカードは1枚だけです。このカードには読み上げ音声を入れず、タップすると次の a に移動するようにアクションを設定します。

 これを続けていくと、次のようになります。

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使い方

 サポーターがジャック1につなげたスイッチ1を使います。発表者はジャック2につなげたスイッチ2を使います。

 最初の 発表 セットは、1枚だけのカードです。この時に、ジャック2のスイッチを何度押しても何も起きません。サポーターがスイッチ1を押すと、発表1a セットに移ります。

 発表1a セットでは、発表者がスイッチ2を押すと、カードの設定しておいた読み上げ音声を読みながら、発表1b に移動します。移動した後は、スイッチ2を何度押しても何も起きません。そこにはカードが1枚しかないからです。

 読み上げ音声が終わり、次のカードにいってもいいタイミングになったら、サポーターがスイッチ1を押します。すると、 発表2a に移動します。

 この繰り返しであれば、サポーターが準備できたことを伝えた時だけ、発表者はスイッチを押して読み聞かせることができる、という形になります。

一人でやってもいい

 サポーターと発表者とペアを組む以外に、もし自分で2つのスイッチを使えるのであれば、今回の仕組みを一人で使ってもOKです。震える手でも、スイッチ1と2とを順番に押し分けることができれば、スイッチを何度押してしまっても、読み上げ中の音声を中断して次に飛んでいってしまうことはありません。

 一人でもできるし、誰かと組んでやるのも良いし、いずれにしても、楽しみながらやってみてください。

 「うちの子は、手が震えて上手に押せないから、iPad使えないのー」とおっしゃるお母さんに出会ったことがありますが、使い方はいろいろ考えられるから大丈夫よという一つの例です。わからないことがあれば、いつでもご連絡ください。

 なお、変わる君の設定が「パターン・ボタン」「ボタン・ボタン」であっても今回の方法は動作します。変わる君は、スイッチコントロールを使わなくても指伝話メモリと組み合わせてさまざまなことができます。ご不明なことがあれば、いつでもサポート(info@yubidenwa.jp)までお問い合わせください。


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Yoshi = 高橋宜盟(たかはし・よしあき)
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