めくってタップ
前回の「ふむふむセット」で触れた「めくってタップ」とは何か?というお問い合わせに対する説明が、今回のお話しです。
iPadのスイッチ操作を始めるにあたり、スイッチコントロールの設定で挫折してしまう人が多くて、せっかくの機会を逃してしまうことが悔しい。そこで、必ずうまくいく方法を考えました。「必ず」というのは言い過ぎ?でも、やったぁ!できた!の第一歩を楽しんでもらうための方法です。
仕組み
指伝話メモリで作った写真のカードを、1画面に1枚ずつ表示すると、紙芝居のようになります。
ページをめくって画面をタップすると、指伝話が読み上げます。
この動作をスイッチを1回押すだけで実現するのが「めくってタップ」です。
スイッチコントロールのレシピを使うなど、他の方法もありますが、スイッチコントロールを使うというだけでも難しく、レシピとなるとハードル高いと思う方が多いんです。そこで活躍するのが「変わる君」です。
変わる君
iPadには直接スイッチを接続できません。スイッチ接続のための機材が必要で、各社から発売されています。その一つが変わる君です。
もともとWindowsで使うものなので、iPadで使うためにはファームウェアの変更と初期設定が必要ですが、オフィス結アジアが「スイッチ接続キット」として販売している変わる君は、iPadですぐに使える設定済みです。
変わる君のすごいところは、スイッチ操作をiPadに伝える信号変換をするだけでなく、マクロを書いて複雑な操作をスイッチ1つで行うようにもできることです。
今回は、「めくって・タップ」という2つの操作を、スイッチを1回押すだけで実行する設定にします。
※ オフィス結アジアから販売している変わる君の初期設定は、「めくってタップ・ボタン」「ボタン・ボタン」「パターン・ボタン」など、ご要望に応じて設定をして納品しますが、初めて使う方は、まずはめくってタップで使え、さらにスイッチコントロールを使うようになってもそのまま使える「めくってタップ・ボタン」がお勧めです。
めくってタップ
スイッチコントロールを使わなくても、指伝話メモリは、変わる君の設定によって、ページをめくる操作と、タップして話す操作の2つを、こんな風に、スイッチを1回押すだけでできるようになります。
何度もスイッチ操作したら、どんどんめくってしまいます。小さい子が絵本をどんどんめくるのと同じですね。
どんなふうに押しても、めくってタップです。これなら、失敗を恐れることなく、安心して楽しみながらスイッチに挑戦できます。
どんな内容にすればいいのか?
めくってタップするカードは、どんなものがいいですか?と悩んでしまうなら、家族の写真をiPadで撮影して、指伝話メモリのカードにして一言添えるのが簡単です。
笑顔日記
先ほどの「笑顔日記」は人気のコンテンツです。「はい、いい顔してねー」「今度は変顔」と言いながら写真を撮る、撮った写真を指伝話メモリで話すカードにする、できたカードを一緒に見る。そのすべてがコミュニケーションです。
「大好きなおばぁちゃんと一緒にいい笑顔」こんなカードを見せられたら、きっとおばぁちゃんがiPadを買ってくれます。:-)
自己紹介カード
普通の顔、いい顔、悲しい顔、びっくり顔の4枚の写真を撮ります。順番に、名前、好きなこと、嫌いなこと、得意なことを添えて指伝話メモリのカードにします。
できたカードをスイッチを使ってめくってタップすれば、自己紹介ができます。今度は友だちになった人と一緒に写真を撮って、「○○さんと一緒にいい笑顔」のカードを作れば、家に帰ってからも楽しめますし、名前を忘れません。:-)
メモリーノート
昔の写真を持ってきてもらって、写真で撮って絵カードに使います。スキャナで読み込むことを考えると大変ですが、iPadで写真を撮ってしまえば簡単です。
「これは何の写真?」「ほー、んー」「おじぃちゃん、ほーじゃわからんよ。ここに阿蘇って書いてあるけど、おじいちゃんは長崎でしょ?どうして阿蘇に行ったの?」というやりとりの後、時間をかけてゆっくりと、それはおばぁちゃんと行った新婚旅行の写真だと話してくれます。この時間、このカードを作る時間が最高のコミュニケーションの時間です。
その他にも、出かけた先で撮影した写真を使って「旅日記」、毎日の食事を撮影して作る「ごはん日記」、遊びにきてくれた人と一緒に撮った写真で「ゲストブック」、散歩で見つけた花や木の写真で作る「植物図鑑」など... そうしてできた絵カードは、スイッチを1回押すとめくって読み上げてくれます。それを一緒に見る時間もまた、コミュニケーションです。
参考資料
指伝話を使って覚えるiOS/iPadOSスイッチコントロール 1-2-3! 接続編・わかる変わる君編
https://yubidenwa.jp/sc123/