Note用

指伝話の読み上げテキストの工夫

 指伝話(https://www.yubidenwa.jp/)は、テキストを合成音声に変換します。内部的には文字ごとの発音ではなく、文節単位での変換をしています。また、漢字を認識するので、ひらがないで全文を書くのではなく、漢字交じりの表記の方が上手に読みます。
 とはいえ、あくまでも機械が読んでいますので、思ったように読まない文字もあります。「山内」さんは「やまうち」かもしれないし「やまのうち」かもしれません。

試す時の基本ポイント

1)基本は漢字で入力する
 「はしのはしをもってはしのはしをはしった」よりも「箸の端を持って橋の端を走った」の方が意味が通じる発音で読みます。

2)単語の読みが正しくない時はカタカナにするか、他の漢字を試してみる
 「やまのうち」さんの場合は、「私は山内です」ではなく「私はヤマノウチです」「私は山之内です」と書いて読ませてみます。読み上げテキストは画面上に表示されないので、表記が正しくなくても正しく読む方が良いです。

3)中黒(・)、小さいつ(っ)、ひらがなとカタカナの混在を試してみる
 「はい」は、SHOが読むと下手です。「は・い」とするとSHOでも良い読みになります。家に帰ってきた時の「ただいま」は、「ただいまッ」と書く方が良いです。
 朝礼の掛け声で、「起立」「礼」は、「きりっつ」「れいっ」の方が良いです。

4)単語を文章にして試してみる
 「小さい」は RYOが読むと、イントネーションが関西風になります。「小さいです」「小さいホウです」と書くといい感じです。他の話者では標準語で話します。

5)疑問符をつける
 「朝ごはんを食べてきましたか?」「はい」「そうですか。朝ごはんを食べてきましたか」というやりとりの最初と最後の文は、疑問符の有無だけですが言い方に違いがでてきます。

こんな変換例・あんな変換例

 ルールと呼べるルールはなく、試してみるしかないのですが、よりイメージに近づけたい場合には、このように試す方法があるということを知っていただければと思います。

 「はい、林です」は「はい、りんです」と読んでしまいます。呼びかけが「あなたの名前は?」であれば、「はい、ハヤシです」が良いですが、呼びかけが「樹木が密集して生えているところは?」であれば「はい、林・です」とすると良いです。

 話者が HARUKA の時、「山田太郎」「太郎です」は良いのですが「太郎」だけだと読みが変になります。「タロお」にしたら良くなりました。

 あいづちの「そうそう」を言う時は、「宋宋」と書くと良かったです。
 「それがイーナ」「おもしろーい」「やったぁ」など、特にHARUKAで読ませる時は、話し言葉っぽくすることができます。

 話者を変えるとうまく話す例もあります。スマートスピーカーの「アレクサ」に話しかける時は、「アレ・クサ、電気をつけて?」と中黒をつけるのと疑問符をつけると良いのですが、話者はSAYAKAよりもHARUKAの方が聞き取りが良いようです。

最後に

 現バージョンの指伝話はユーザ辞書を持っていないので、読ませるテキストの書き方を工夫して、期待した発話にする工夫をしてください。そこを楽しんでいただければ幸いですが、明らかに変な読みがある場合には、サポートまでお知らせください。合成音声エンジンの改良リクエストに加えていきます。

 将来のバージョンアップでユーザ辞書をつけたいと思いますが、指伝話メモリでカードを他の人に渡す場合に、ユーザ辞書に登録した読み方はカードには情報が含まれないですし、他の人からもらったカードを自分のユーザ辞書が勝手に読み替えても困ります。どういった使い方が便利であるか、知恵を絞って機能をより良くしていきたいと思います。

いただいたサポートは、結ライフコミュニケーション研究所のFellowshipプログラムに寄付し、子どもたちのコミュニケーションサポートに使わせていただきます。