自由とは?
言える自由・言わない自由について書いたnoteの続きです。「自由」とは何か?それは 選択肢があることだと思っています。そう思うきっかけとなった出来事がありました。
私の技術のお師匠さんは、Jean-Pierre Reibreau (JPR)というフランス人です。ある日彼が私のオフィスに来て、青く光るマウスを気に入って、一緒にビックカメラに買いに行きました。単に青く光るだけで、特別な機能がある訳ではなかったのですが、フランス人は青が大好きだそうで、ニコニコしてでかけました。
お店での会話:
私「Jean-Pierre、光るマウス、あったよ。」
JPR「おお!何色がある?」
私「青しかないって」
JPR「ふーん。じゃぁいらない」
さっさとオフィスに戻ることになり、帰ってから聞きました。
私「何色が欲しかったの?」
JPR「Blue」
私「Blueは青でしょ?さっき青はあったのに」
JPR「青しかなかった」
私「青が欲しかったんでしょ?それならよかったのに」
JPR「青しかなくて、それを買わされるのは嫌だ。俺は、赤とか緑とかピンクとか紫とか、いろいろある中から選んで買いたかった」
私「ふーん。で、何色を買うの?」
JPR「青」
「うわー、フランス人、めんどくさい!」って当時は思ったのですが、「俺たちフランス人の自由とはそういうものだ」というJPRの言葉を聞いて、考えました。
そんな経験をもとに、指伝話文字盤を作った時には、文字盤の色を5種類から選べるようにしました。さらに「緑・青・紺・ピンク・黄色」から選ぶのではなく色の名前を「森・海・空・いちご・大地」にしました。
文字盤を使うのは時間がかかるので「文字盤やる?」と言うと「やだ!」と言う子どもが(大人も)います。そこで「今日は文字盤は、森でやる?いちごでやる?」って聞くと「いちご!」って言います。「いいねぇ。終わったらいちごを一緒に食べようか!」なんてことを話しながら、楽しく始めることができます。
実際には、「文字盤やる?それとも文字盤やる?」という二択なので、文字盤をやるという選択肢しかないのですが、楽しく選んでしまいます。
楽しいコミュニケーションのきっかけの、ちょっとした工夫。
ICTは機械ではなく機会です。
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