note_記事タイトル

ALSの大神さんからのメッセージ

 誕生日のお祝いにと、ビデオメッセージが届きました。送り主の大神さんは7つ年上の先輩。45歳の時にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されてから17年になるそうです。

 1年前の展示会で指伝話ブースにお立ち寄りいただいたのがきっかけで、iPad&指伝話を知っていただきました。

 私の誕生日にメッセージを送ってくださいました。わずかな右手の動きを空圧スイッチに伝え、その信号でiPadを操作しています。指伝話メモリで絵カードを作るところからすべて自分一人で行っています。

 指伝話メモリは、スイッチで使いやすいと人気がありますが、それは作ってあるカードを使う操作が簡単になるよう工夫がしてあるからです。でもカードを作る方は、特に使いやすいというわけではないのですが、あっという間にカードを作れるようになりました。

 出会って半年後の夏には、リハ工学カンファレンス in 札幌 で、ご自身の闘病のことを指伝話を使って発表、その3ヶ月後には北九州での全国難病センター研究会でも発表されました。

 彼女のすごいところは、「難病だけどICTを駆使してこんな発表だってできる」という感じではなく、ごく自然に、自分が思っていることを伝えたいと思って発表するところです。きっと、間違いなくご苦労されていると思いますし、ブログにはALSと宣告された時には絶望したと書かれていました。

 でもいまは、いつも笑顔でニコニコです。発表では必ず笑いをとりにいきます。:-) 指伝話の話者を変えて、自分と車椅子の「紫号」との掛け合い漫才をします。

 発表の時は、指伝話の音声は結構自然です。そうすると、「難病の人が機械を使って発表している」点ではなく「大神さんが言いたいこと」に観客が耳を傾けます。そこはとても大事。指伝話が表に出ず、裏方で役に立てることが大切です。

 そして、大神さんは「楽しいのが一番」と言います。この間のLINEのメッセージはこんな感じでした。

今から、ニューヨークいきます笑 入浴です🤣🤣

 用事を伝えるだけのために五十音表から文字を選択するのではなく、笑ってもらってなんぼ、というのが彼女の考え方です。五十音表方式の指伝話文字盤も愛用していただいています。その使い方も楽しく工夫されています。それはまた次回。

参考: 指伝話 https://www.yubidenwa.jp/

いただいたサポートは、結ライフコミュニケーション研究所のFellowshipプログラムに寄付し、子どもたちのコミュニケーションサポートに使わせていただきます。