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黒海沿岸の小さな村の話(経済の原理とは)

これぞ、経済の原理

経済の仕組みについて考えさせる話で、難しい経済学の本を読むよりも腑に落ち、とても印象に残っています。

黒海沿岸にある小さな村があった。そこにひとりの旅人がやって来たんだね。旅人は1軒の宿屋に入り、「今日、一晩泊まれる部屋はありますか?」と言って、ポケットから前金を出して支払った後、観光するために宿を出て行った。

宿屋の主人は、近所の肉屋に「ツケ」がたまっていたので、そのお金を持って肉屋へと走り、これまでのツケを支払った。肉屋の主人は、養豚業者に「ツケ」をしていたので、そのお金を持って養豚業者のもとへと走り、これまでのツケを支払った。養豚業者の主人は、エサ代を支払えていなかったので、そのお金を持って、エサの販売業者のもとに走り、これまでのツケを支払った。エサの販売業者は、ツケで女性と遊んでいたため、そのお金を持って女性のもとへと走り、これまでのツケを支払った。その女性は、商売をしていた最初の宿屋にツケがたまっていたので、そのお金を持って宿屋へと走り、これまでのツケを支払った。

すると先程の旅人が戻ってきて、「ほかに見るものもないから、やっぱり帰ります」と言って、先程支払った前金を返してもらい、村を出ていった。
結局、誰もお金を稼いでいないけれど、村の人たちはそれぞれ借金を返すことができた。

景気が悪くなること

景気が悪くなるとは、「お金が循環しない」・「お金が動かないことだ」 というのがよくわかります。「お金は経済の血液」 とはよく言ったもので名言だと思います。経済、ということを考えるならば、ひとつの場所でお金をずっと留めておくことが罪、ということになりそうです。つまり、タンス貯金でしょうか。

人が動くと基本的にお金も動くと思いますので、人が動かなくなると途端に経済も不調となります。(そういった意味で新型コロナは、経済にとって相当キツイ事象)また、人が心理的にお財布の紐を閉める事態が発生すると、経済が不調なってしまいます。

1万円札で話題の「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の言葉に、次のようなものがあります。

お金に対して、無駄に使うのは戒めなければならない。しかし同時に、ケチになることも注意しなければならない。 よく集めることを知って、よく使うことを知らないと、最後には守銭奴になってしまう。 金づかいの荒い人間にならないように努力するのと同時に、守銭奴にならないよう注意すべきなのである。

(渋沢栄一)

“よく使うことを知る”というのは、とても難しいものですが、意識しているのといないのとでは全然違うと思います。

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