Web会議ならではのファシリテーションTips
チームのリーダーを務めていることもあり、週2回ほどはチームの会議でファシリテーションを担っています。
コロナ禍が始まって間もなく2年。そんな頻度でファシリテーターを務めていると、Web会議ならではのファシリテーションのTipsも何となく溜まってきました。
他のチームのファシリテーターを参考にして学んだこともありますが(感謝)、自分の中の整理も兼ねて、ここではそうしたTipsをひとまとめに記してみます。
1. コメント機能(テキスト)等で発言することも大歓迎であると伝える
リアル(対面)会議とWeb会議の違いの1つに、コメント機能があります。この利用を積極的に歓迎しましょう。
「口頭での発言がもともと苦手な人でも発言しやすくする」という意味でも効果的ですが、それだけではありません。リアル会議では口頭での発言が得意だった人ですら、Web会議になるとタイムラグが原因で発言しづらくなることがあります。そうしたことの対処としても有効でしょう。
発言の手段が増えることは、原則だれにとっても悪いことではない。これをまずはチームの共通認識とするのが大切です。リアクション機能や挙手機能などを活用するのも良いでしょう。
2. コメントがあれば、適宜拾って読み上げる
「コメント機能での発言も大歓迎」と伝えても、最初はせいぜい恐る恐る書いてもらえるくらいがほとんどでしょう。
そのため、そんな中でも参加者がテキストでの発言にチャレンジしてくれた際には、必ず拾い上げて、読み上げることをオススメします。お便りを読み上げるラジオのパーソナリティーをイメージすると良いです。
読み上げたあとは「ようするにXXってことですかね?」「何か補足ありますか?」などの言葉で、追加の発言を促すのも効果的です。
「勇気を持ってテキストで発言したら、読み上げてもらえて、口頭での発言の機会も与えられた」——この体験のサイクルを何周か経験することで、参加者の発言のハードルはかなり下がりやすくなります。
3. 「発言時以外もミュートしなくて良い」と呼びかける
Web会議の特徴の1つに「ミュート機能」があります。便利な機能ではありますが、「必ずしも使わなくて良い、むしろ可能であればミュートはOFFのままを推奨」と呼びかけるのも、シーンによっては効果的です。
ミュート機能は、多くの場合は「発言者の邪魔をしてしまわないように」という親切心から使われると思いますが、このとき、円滑な会話に重要な「相槌」という要素も完全に削ぎ落とされます。
ここはウダウダ説明するより、ご自身のWeb会議の経験を思い出していただく方が早いでしょう。自分の発言に対しての他人の相槌が、音声で確認できるかできないかで、話しやすさや安心が大きく違った経験はないでしょうか?
だからこそ、ミュートOFF推奨の呼びかけが有効なシーンがあるのです。
使用するWeb会議ツールや、Web会議に参加する場所の環境にもよるかもしれませんが、最近はWeb会議ツールのノイズキャンセリング機能が優秀なので、ミュート機能を使わずとも「不要な音声は正しくカットしつつ、相槌などのあるべき音声はしっかり拾われる」という、絶妙な状態にできることも少なくありません。
リアル会議のような"自然なガヤガヤ"を再現して、場の安心感を醸成するためにも、特に少人数の会議の場合はこうした呼びかけを試すと良いでしょう。
(なお、大人数のときは、何だかんだ全員がミュートOFFだとカオスになることもあるので、この実践は少し難しくなります)
4. 意識的な相槌、もしくはリアルより1.5〜2倍ほどのうなずきで「聞いてるよ」という姿勢を表現する
Web会議の画面では、リアル会議より相手の反応を認識しづらいです。
そのため、参加者の(音声での)発言があった際には、音声での相槌をリアル会議のとき以上に意識的に行うと良いです。
音声をミュートにしている場合は、リアル会議時より少しオーバーリアクション気味にうなずく形でも、ある程度の代用が可能です。体感での話にはなりますが、リアル会議の1.5〜2倍ほどを意識すると適切かと思います。
5. 参加者のミュートON/OFF切り替えを見逃さない
参加者が「基本ミュートONで、発言したいときのみミュートを外す」というスタイルを取るようなら、ミュートのON/OFFの切り替えをよく見ておきましょう。
ミュートがOFFになったことに気づいたら「XXさん、何かありますか?」と積極的に発言を振ります。
これはリアルの会議で言う「何だか口を開こうとしている」「挙手しようとしている様子が伺える」といったサインと同等のものです。Web会議でこれほど捉えやすいサインはなかなか無いので、ぜひ見逃さないようにしたいところです。
6. 目線や表情をよく見る
参加者が映像ONで参加してくれている場合は、そこで得られる情報もぜひ積極的に活用しましょう。
たしかにリアルの方が、こうした非言語情報は豊富かもしれません。しかし、画面越しの目の動きや表情だけでも読み取れるものは意外とあります。多くの場合は真正面からの構図になるWeb会議だと、目線の動きは逆にリアルより認識しやすいことすらあります。
たとえば、ミュートの状態で何かの発言にウケて笑っているらしい参加者を見つけたら、「XXさん、めっちゃ笑ってますけど笑」などと様子を述べるだけで構いません。そうした目線や表情の読み取りの結果から一言述べるだけで、その人からの発言を引き出しやすくなります。
(この例で言うと、なぜ笑っているのかを説明するところから発言を始めやすくなるでしょう)
終わりに
この領域に詳しい人にとっては大した内容でなかったかもしれませんが、せっかくなので、誰かの何かの参考になると嬉しいです。
他にもポイントはあるように思うので、気がついたことがあれば追記しようと思います。逆に「こういうポイントもありますよ」といったアドバイスがあれば、手段は問わないのでご教示いただけると大変幸いです。
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