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「優先席」は必要か?不要か?
バスや電車の「優先席」は、必要だと思いますか?
元マッキンゼーの大前研一さんの文章で、ちょっとだけ書かれていた件について書いてみます。
電車やバスの「優先席」は不要だという意見です。
一部抜粋すると、
ハンディキャップがある人がいたら座席を譲るのが社会的規範として当たり前であり、わざわざ優先席を設けなくても高齢者などへの配慮が自然にできる国民が多数を占める社会を目指すべきである。
これについては私も同意です。
車社会の田舎に住んでいると、バスや電車に乗る機会は非常に少ないのですが、サラリーマン時代はよく東京出張に行っていました。
もちろん、電車やバスには「優先席」があることは知っています。
マークを見ると、幼児連れ、妊婦、高齢者、怪我人(病人)などが対象となっていますね。
有効に活用されているのかどうかは分かりません。
優先席でも、普通のサラリーマンやおばさん、若い人などが座っているのを見かけることもあるし、逆に車内は混んでいるのに優先席だけ空席、ということもあり得ます。
もし体調が悪い人や持病がある人なら、外見だけでは分からないので、「学生や若者だから」「ビジネスパーソンっぽいから」というだけで、優先席に座るなんてマナー違反だ、などと一概には言えませんよね。
妊婦さんでも、お腹が目立たないうちは、外見上は分からないだろうし、怪我をしてても、包帯や松葉杖など目印がなければ気付かれません。
また、高齢者でも若い人より元気な人もいるし、足腰を鍛えるために、あえて立って乗る主義の人もいるかもしれません。
事実、「健康のため、あえて立っているのに、席を譲ってもらって、断るのも気が引けるので仕方なく座った」という高齢者のエピソードも聞いたことあります。
社会的弱者や高齢者に席を譲らない人が多いから、わざわざ「優先席」という仕組みを導入せざるを得なかった、という経緯があったのかなと推測はしますが・・。
「優先席」じゃなければ早い者勝ちだから、他人に譲らなくてもいいや、って考える免罪符になってたりしないかな。
日本は一応先進国であり、成熟社会。
国や団体が「制度化」しないと機能しない、制度化してもちゃんと機能するとは限らない、ってのはどうかと思うのだ。
優先席に限った話ではないけど、電車やバスの優先席の例でいれば、そんな仕組みは設けずとも「全席が優先席」という意識で、全員のモラルが上がっていかないといけないんだろうな、と思った次第です。