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「人生100年時代」は幻想で、実際は「50年」
人間の(特に日本人の)平均寿命は長くなって、100歳まで生きる人が珍しい存在ではなくなりました。
お金や健康の話題でも、「人生100年時代」という言葉をよく見かけます。
でも実際はどうなんだ?
たしかに、近年は100歳まで生きる人が増えていますが、それでも「珍しくなくなった」というレベルであり、大半の人が100歳まで生きる、平均寿命が100歳になる、という世界は、自分が生きている間はあまり想像できません。
以下2つの選択肢があるとすると、
A. 100歳まで生きる
B. 100歳になる前に死ぬ
AかBかの確率を比べたら、明らかにBが多いだろ、と思います。
現在の平均寿命は男女とも80代。
ってことは、90代以上で亡くなる人もいれば、70代以前に亡くなる人も珍しくはないってことですよね。
何十年後はどうなっているか、というマクロな視点は、この際あまり関係ないし、数パーセントの違いなど、細かいデータも無意味。
自分が何歳まで生きるかなんて誰にも分かりませんが、ただ「生きていれば良い」というわけでもないです。最後の10年は寝たきり、とか。
いつまで「元気で活動できるのか」が、最も重要なのではないでしょうか。
その上で、今の年齢が何歳だから、残り何年「元気で活動できるか」という計算が人生設計にとって大事なことになります。
人生100年時代という言葉に惑わされたら痛い目にあいそうです。
20代、若手社員
30代、中堅社員、働き盛り
40代、管理職、子育て
50代、役職定年、介護
60代、雇用延長or定年後
大きな病気や事故にあわなかった場合、この年代の「約50年間」が、実質的に「自分の人生」と考えて良いんじゃないかな。
ここでは、自分のお金と判断で行動できる、という意味で、子供時代は除いて、成人してからをカウントしています。
そして、たいていの人は70代にもなったら、もう体の不調や気力の低下により、やりたいことが何でもできる、という状況ではなくなると思います。
※もちろん個人差は大きいでしょうが。
つまり、20代~60代くらいまでの「人生50年」が正しい認識で、40代はすでに折り返して下り坂、と考えるほうが現実に近いと思います。
そもそも、40歳後半くらいから、体力の衰えや老眼、五十肩、生活習慣病など、さまざまな不調が出てくるものです。
「定年後は旅行や趣味などあれこれ楽しむぞ!」と目論んでいても、必ずしもそれが叶うとは限りません。
もはや元気がなくなって、あれもこれもできない、という可能性は大です。
つまり、どういうことだ
人生100年時代という言葉が一人歩きしていますが、惑わされたらあかんのではないか、という注意喚起。
人生は思っているよりも短い、と思った方がいい。
特に「自分の力で元気に動ける期間は短い」という事実は胸に刻んでおいたほうがいいのではないだろうか。
「老後は」「いつかは」と先延ばしにせず、「今、この瞬間」をやりたいように生きる、やりたいことをやる、という意識が大事だと改めて思った今日この頃でした。