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「肉離れは安静が鉄則」の誤り⑵

さて、大切なのは初期治療です。
肉離れは受傷時の痛み・衝撃が凄まじいので、皆さんかなり心配されて受診されますが、幸い、筋肉に限局した損傷ですので、適切な初期治療を行えば2週間程で日常生活による痛みは消失し、3週間程でスポーツ復帰が可能となります(長いと感じるかも知れませんが、足関節捻挫の場合は4週間、骨折の場合は軽度のものでも最短で5-6週間でのスポーツ復帰ですので、比較的短いと言えます)。
この初期治療の大原則となるのが以下の3つです。
①アイシング
②圧迫
③安静
アイシングについては、初期より温熱療法を推進する意見もありますが、ここでは2023年度の日本整形外科学会の提言に沿ってアイシングを推奨します。局所の血流を滞らせることで出血を抑え、腫れを軽減し、炎症物質の浸潤を抑えて二次的な炎症亢進を抑制します。
圧迫は損傷した血管を締め付けて出血を予防すると共に、損傷部の筋肉を動かなくすることで痛みを防止します。
問題は、③安静の部分です。

続く

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