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僕の過去の活動からの考察①ひきこもりサポート

 僕の今の自分に繋がっている、過去のいくつかの活動について。そしてそこに見た生きづらさや考察について何回かに分けて書いていきたいと思います。
 まず初めに『ひきこもりサポート』・・・について書きます。

 僕は今45歳。プロボクサーを28歳で一旦引退し(33歳で一度復帰)心理カウンセラー養成学校で学んだあと、その学びを活かして当時はまだ目新しい言葉であった『ひきこもり』状態の方々に関わっていました。

 2002年10月から2005年3月までのロングランでNHKが『ひきこもりサポートキャンペーン』を行っていたのですが僕が活動していたのもこの期間とほぼ重なります。
 『ひきこもり』自体はその少し前から金八先生で取り上げられるなどして知ってはいましたが改めてテレビが大々的にとりあげることで今でいう『貧困』の言葉のように認知が広がりました。

「ひきこもりの人は心の問題を抱えてなかなか動けないでいる。けれど見かけで心の問題は見えないから『怠け者』と言われる。それを感じているから誰にも相談できない。だから社会はもっと寛容になるべきだ」

 こんなようなことが専門家によって言われていました。
 そうしたテレビ報道などに同情するかのように
『つながろう』『支え合おう』といった声がありました。
・・・というか今も同じような掛け声はよく聴きます。

 キャンペーンに釣られるように『ひきこもりの居場所』『ひきこもりの自助グループ』『ひきこもりの親の会』などがあちこちで開かれるようになります。今の子ども食堂ほどではありませんがテレビのロングランキャンペーンは一定の広報効果を見せていました。
そんなキャンペーンの結果、現在どうなったでしょう・・・

 これは2011年の調査結果を示した新聞記事ですが『ひきこもり』は70万人。しかしこれ15歳~39歳に限っています。ちなみに2016年には15歳~39歳で54万人。

「減ったの?」
そういうわけではありません。実は40歳以上の『ひきこもり』が含まれておらず要は2011年に35歳以上だった当事者でまだ脱ひきこもりができていないと統計から漏れてしまうのです。

いわゆる8050問題に繋がるわけですね。NHK WEB8050問題 孤立する親子

『ひきこもりを減らそう』とやってきた15年前のキャンペーンも虚しく、《ひきこもりの高齢化》それに伴う《8050問題》が残されたわけです。

キャンペーンや居場所づくりは何も解決をもたらさず《甘え》《怠け》というスティグマが残されました。

ここで原点に戻って「ひきこもる原因」について見てみましょう。

複数回答なのでこれだけで100%をゆうに超えていますが、その中でも病気、人間関係、就活失敗、不登校、職場不適応が目立っています。

 これらの背景には何があるのか。参考になるデータが少ないのですが一つ取り上げたいと思います。

 これはKHJ全国ひきこもり親の会という団体がひきこもっている本人に検査した広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の結果(2011年)です。
 検査の詳細はここでは重要でないので数値だけ。11以上の検査結果になると広汎性発達障害となりますが10のボーダーの人を含めると実に30%強が広汎性発達障害となります。広汎性発達障害は今はアスペルガー症候群と合わせて自閉症スペクトラムと言われますが
①空気が読めない。
②言葉を言われたまま受け取る
(※例えば荷物を盗まれないように見張っていてほしいという意味で「荷物をみていてね」と言われると字面どおりに「ずっと見て」しまい盗まれても「盗まれた」という認識が持てない…など)

といった特徴から『変な奴』などとされてイジメや仲間はずれの要因となり『ひきこもり』になってしまいます。

発達障害はもちろん他にも
①ADHD(注意欠陥・多動性障害…集中力が極端に低かったり、異常なまでに動き回ったりするなど)
②LD(学習障害…知的な問題はないが視覚認知能力や聴覚認知能力が著しく劣っているために学習効果にも影響するなど)

もあります。他にも分類はありますが特にこの
①ADHD②LD③自閉症スペクトラム
パッと見が分からず第3者はもちろん本人にも認識がないことが多く”生きづらさ”だけがそこに横たわる・・・という構図になります。

 残念ながら手持ちのデーターがないのですがや前述の自閉症スペクトラムが30%なのでADHDやLDを含めると半分以上の当事者が何らかの発達障害である可能性があります。

 更に精神障害や軽度の知的障害の状況を調べることができればすべて合わせることで相当数の当事者が何らかの障害を持っていると予想されます。

 少し昔ではありますが『ひきこもり』状態の方々とお話してきて言えることが一つあります。
 彼らは障害だから『ひきこもり』なのではなく、自分でも障害の認識が薄く、その生きづらさを誰にも相談できない・・・相談しても『甘え』と言われる。そんな生きづらさから何とかギリギリ残っている生きていくための”希望”を守るために『ひきこもり』となり傷つくことを防いでいるのです。

障害傾向については『ホームレス』の方にも同じような状況が実際に調査数値として表されているので次回以降に書きたいと思います。

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