ミャンマーの現状(2)
10日目になります。
2週間が経ち、あっという間のような、もっと長くみんなと一緒にいるような不思議な感じです。
今日はたくさんのことを考えさせられた一日でした。
ミャンマーの教育制度
午前中のクラスでは今日が最終日になるチューター、ミャンマー出身の方がクーデターが起こるまで行っていた活動をTedさんがインタビューする形で紹介してくれました。
※安全性を考慮して、念のために名前は伏せさせて頂きます。
ミャンマーの学校教育の不平等をなくすために、教育学部の大学生に平和学を教えるNGOで働いていたそうです
ミャンマーの不平等さとは何か?
彼女が訴えている問題は「言語による不平等」です
ミャンマーという国は多様な民族で構成されています。
それぞれに言語を持っている民族もあるそうなのですが、教育はビルマ語で行われ、大学入学を左右する高校卒業試験も文系教科はビルマ語で行われるそうです。
理系教科は高校から英語で行われ、試験も英語で実施されるとのこと(間違えていたらすみません。)
ビルマ語以外を母国語とする少数民族などにとっては、科目の内容を理解する、そして試験において不利な条件になっています。
日本にもアイヌや琉球民族、そして在日朝鮮人や在日中国人がいますがミャンマー程複雑ではないため日本ではピンとこない問題だと感じました。
今ブログを書きながら、もしかしたら知らないだけなのか?と思いました。
彼女は現在の不平等な制度を根本的に改善するために、高校の教師や日本でいう教育員会や文科省などの行政機関に就職する人が多い教育学部の学生を対象に平和学を教えるNGOで働いていたそうです。
ミャンマーの大学受験は高校卒業試験の高得点者から進学したい学部に入れるそうなのですが、
驚いたことに1番が医学部で、2番目が教育学部だそうです。
個人的な意見ですが、日本だと教育学部はどちらかというと下位に入ってくると感じています。
ミャンマーでは社会全体として教育を大切にしているのではないかと思います。
しかし、クーデターによって情勢が不安定になり教育制度の改善以前の状況になってしまい、今は活動を行っていない
というより活動することができない状況だそうです。
やりたいことができない状況は誰にでも起こることですが、ここまで根本的にどうしようもできない状況になってしまうのはとても辛いことだろうなと思います。
それにも関わらず明るく、そして好奇心と向上心を持って生きている彼女の姿勢から「今を精一杯に生きる」ということを学びました。
ミャンマーの現実
ミャンマーの教育以外にも民族の問題などを授業で聞いていたのですが、それ以上に胸を締め付けられるような瞬間がありました。
SENSプログラムの14人の参加者のうちミャンマー人は7人いるのですが、タイに難民として生活している人もいれば、ミャンマーから来ている人もいます。
ミャンマーから来ている女性がお昼ご飯を食べている時に、住んでいる地域のことについて話してくれました。
彼女の住んでいる村の近くに国民防衛隊の拠点があるため、週に4回軍の飛行機が来て、空爆など無差別攻撃があるそうです。
村にいる時は飛行機の音が聞こえるとと走って逃げるそうです。
そのせいでタイに来てもなお寝ているときに飛行機の音が聞こえると起きてしまい、逃げなきゃと一瞬思ってしまうそうです。
そして「もう慣れちゃった」と悲惨な話を笑顔で私たちに話してくれている彼女を目の前にしてとても胸が締め付けられました。
そんな悲惨な状況に慣れてしまう、そんなことがあってはいけないという想い
今私が見ている笑顔の裏にはどれだけ数多くの大きな恐怖を抱えているのだろうと考えると辛い気持ちになりました。
プログラムが行われる3ヵ月の間に少しでも安心できる時間を過ごしてもらいたいなと思います。
正直、私が何ができるか分かりません。
彼女は仲のいい友人と参加しているので、不安な気持ちや想いなど私が聞く必要などないのかもしれません。
だとしても、もし何かあれば話を聞けるような自分でありたいと思います。
また、彼女はバトミントンがとても得意で、この前もやったら負けてしまいました。
寄り添うことがなくても、辛いことを忘れられる楽しい時間を過ごしていきたいと思います。