『大切な人へのラストレター』

ばあちゃんおはよう！
今日はメールじゃなくて直接会いにきたよ！
まだ寝てるみたいだから静かに話すね

僕は小さい頃からじいちゃんばあちゃん家に
会いに行くのが楽しみでした
特にばあちゃんが作る味噌汁は
天下一品で味も最高
今でもその感動を覚えているし
また食べたいし
まだその味噌汁に勝るものを作れる人は
現れていません

せっかく帰ってきたんだからさ早く起きて作ってよ
起きるまでずっと待ってるから

中高生になるとばあちゃんに会う回数も減り
ばあちゃんが話しかけても
笑顔で近寄ってきても
そっけない態度もしちゃってたね
お年玉ですらきちんと感謝もせず
受け取ってしまっていたね
ごめんなさい

そんなことを当時何とも思っていなかった自分は
故郷を離れてからその存在の大きさ
大切さに思い知らされます
まだ一人暮らしを始めて数日なのに
寂しさでしばらく元気も出ず
落ち込んでいました

でもその時にばあちゃんがくれた
叱咤激励の言葉
あえてすぐ電話を切る厳しさにより
そこから自分は新生活を元気に
笑顔でたくましく生きれるようになって
大人になれたような気がします

そして月日は経ち
2年前ばあちゃんが入院したのをきっかけに
退院後もぼぼ毎日ばあちゃんに
メールをするようになりました
無理して返事は無くても構わないし
ばあちゃんを励ます意味で
離れてても
いつでも繋がっているよということで始めました

でもそのうち一通二通と
ばあちゃんから慣れない文章で
メールの返事が来るようになりました
それはいつしか
自分が励まされる方になり
毎日の活力となっていました

今年に入りお正月も返事が来ました
でもその後の返事がまだ来てないよ

正月も仕事頑張ったから褒めてほしいんだけど
ありがとうとたくさんの感謝を伝えたいんだけど

ばあちゃん！本当に今までありがとう！
また今度帰省した時に話してくれる予定だった
ばあちゃんとじいちゃんの昔の話
色々と聞きたかったけど
いつかまたきっと会えるよね！
その時にまたたっぷり聞かせてください！

これからも僕達を
ずっと見守っていてください
おやすみなさい
　　　　　　　　　　　　　　　　　𝔂𝓸𝓼𝓱𝓲