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「音読の向こう側へ」2022/3/2の日記

昨日発表した「Focus Talk」のレッスン、嬉しいことに何件か問い合わせと予約をいただいた!ありがたい。

英語の瞬発力を高めるトレーニングとしておすすめ。

こんな高負荷のトレーニングも英語を伸ばすためには重要。

英語の練習というと、ほとんどの人が「音読」「オーバーラッピング」「シャドーイング」の3つを挙げる。英語を勉強している人にとっては、この3つを突き詰めていけば英語が話せるようになるイメージを持っている人がいるかもしれない。

この考え方は間違っている。

この3つのトレーニングは「台本のあるスピーキング」を難易度をちょっと変えながらやっているだけなので、これを続けても英語がすらすら話せるようにはならない。

日常会話には台本がない。

シンプルな話、「台本のあるスピーキング」で練習を積んだら、次のステップとして「台本のないスピーキング」に移行しないと日常会話はできるようにならない。

この手の「台本のあるスピーキング」は、野球でいえば「ノックしか受けない」状態と同じだ。

ノックだと次の打球が確実に自分に向かって飛んでくることがわかっている。ボールをとった後はどこに投げればいいかもわかっている。これは音読と同じ。

だが、実際の野球の試合となると全く状況が異なる。ボールがいつ自分に向かって飛んでくるかはわからないから長時間集中していないといけないし、ボールをどこに投げるのか、自分はどう動けばいいのかは状況によって全然違う。これが目標とされる日常会話だ。

音読自体に効果はあるが、実際の日常会話と比べると簡単すぎる。

音読系のトレーニングである程度発音と語彙表現が身に付いたら、あとはガンガン実践練習を積んだり、音読よりも高負荷なトレーニングに切り替えていく必要がある。

日本人の音読信仰は、教える側の都合も大きいのではと思う。

英語を教える人間にとって、「読ませるトレーニング」は教えやすい。

読む内容が決まっていれば、どんなレベルの人間でもある程度はそれっぽく教えられる。「教科書のここからここまでを何回読んでこい」という宿題で出すのも簡単だ。

学校で教えるとなると、「喋ることが決まっていない英語トレーニング」はやらせにくい。生徒同士のレベルの違いもあり、何を基準に成績にするか(数値化するか)を決めにくいからだ。結局定期テストは文法重視のものになりがちで、「定期試験近づいてきたから英語のスピーキングの練習しよっと」となる生徒はほとんどいない、というわけ。

でも、本当に英語が話せるようになりたいなら、音読にプラスアルファの練習をしないといけない。音読は初心者向け。

自分もアメリカのESLプログラムで1年間英語だけを勉強した期間があったが、音読・オーバーラッピング・シャドーイングの練習は全く授業で行われなかった。

その代わり、ポスターを使ったプレゼンや文法を使ったスキット作りといったアウトプット重視の授業や、大学の授業についていけるようにアカデミックな語彙や洋書を読むことに特化した授業などをゴリゴリ受けた。

膨大な課題の量に泣かされつつヒイヒイ言いながら訓練を積んだ1年間、自分の基礎になっている。

英語学習では、音読の向こう側を目指さないといけない。

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