
Step#299|ソロで生きていく。
▼
友人たちに触発され、
横浜で上映開始になった
映画
『人生クライマー
山野井泰史と垂直の世界 完全版』を
観賞してきました。
映画では、思わず足がすくむ
断崖絶壁や直角の岩壁に
果敢に挑む様子が描かれ、
終始圧倒されます。
山野井さんは
「単独、無酸素、未踏ルート」という
基本方針のもと、
凍傷で手足の指10本を失っても
クマに襲われても
難攻不落の壁にソロで
挑戦する姿勢を変えません。
▼
ヒマラヤのギャチュンカン登頂の様子は
沢木耕太郎さんの「凍」で
詳しく描かれています。
沢木さんは、ある講演で
山野井さんを回想しながら、
「ソロで生きていく」ことについて、
次のように語っています。
ソロで生きると、
一人で道を覚え、選択するが、
集団だと全体について考えない。
同じ時間を生きていても濃さが違う。
問題はソロで生きていける人たちが
パーティーを組んでいるかどうか。
パーティーに加わりながらソロで生きていく力を
蓄えるあり方は、その人の自由度を増す。
僕は女房に家事全般を仕込まれて、
冷蔵庫にあるもので何でも作れるようになった。
家庭の中でもソロで生きていける能力を
身につけようと意識するのは、
そんな悪いことじゃない。
どういう局面になっても、
とにかくソロで生きていく。
生きていける自分を持ったうえで、
パーティーに参加していく。
そういうことを意識すると、
わりと状況が変わる気がします。
▼
上映後は、武石浩明監督と
山野井夫妻の親交がある
登山家の遠藤由加さんによる
トークショー。
///
山野井君は、学生時代に
ヒマラヤ・マカルー西壁に魅せられた。
彼は、自分の好きな思いを
大切にして、登ってきただけ。
皆さんも自分の内側にある
「好き」を大切にしてほしい。
自分の気持ちを見直す契機になれば
とても嬉しいです。
///
遠藤さんが語ったこの言葉を
胸に深く刻み、会場を後にしました。
●今日の一歩
他人に振り回されず、自分の感情を大切に。
結局、自分が好きな山しか登りきれないのだ。