見出し画像

阿蘇五岳完全制覇

2024/05/26

阿蘇は一つの山ではない。根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳を合わせて阿蘇五岳という。
このうち、最高峰の高岳(1592m、「肥後のくに」と覚える)と、高岳に登る途中で通過する中岳(1506m)はすでに登頂済みである。
「せっかく熊本まで来たんだから、阿蘇に登っていくばい!」ということで、残り3座をまとめて片付けることにした。烏帽子岳や杵島岳は単品では登山の範疇に入らないかもしれないが、3つ合わせるとなかなかの充実感だ。 

根子岳東峰(1408m)

九州百名山 27/100

09:20 駐車場発(釣井尾根登山口)
10:35-10:40 分岐点
11:05-11:30 山頂
11:50 分岐点
12:30 駐車場着

前夜の飲み会でハシャギすぎたので、やっぱり寝坊した。予定より1時間ほど遅れて、7時40分、熊本市内のホテルを出発する。
まずは、阿蘇五岳の中でもひときわ異彩を放つ根子岳へと向かう。大観峰から眺めた阿蘇は「仏様の寝姿」と称されるが、そのご尊顔に当たるのが根子岳だ。根子岳の最高峰、天狗峰(1433m)が仏様の鼻に相当する。
しかし、天狗峰は熊本地震で一部が崩落してしまい、入山禁止になっている。そのため一般には、天狗峰に次いで高い東峰(1408m)をもって、根子岳の山頂とみなす。
 
熊本市内から1時間半で根子岳・釣井尾根の登山口に到着。
ここは観光地の喧騒とは無縁の世界で、登山口からすでにいい雰囲気だ。天気は良いが、高岳の山頂にだけ雲がかかっている。

ギザギザが目を引く根子岳
ここに車を停める
釣井尾根の登山口

9時10分、登山開始。
とはいえ、見かけほどの険しさはない。ところどころ梯子やロープが架けられているものの、これといった危険箇所はなかった。
1時間半ほどで根子岳(東峰)山頂に到着。山頂からは、天狗峰の鋭いピークが印象的だ。いつか、あの頂きに立つことができるのだろうか…。
往復3時間10分(うち休憩30分)で車に戻ってきた。

根子岳東峰山頂!
天狗峰の尖峰。岩肌が白いところは熊本地震で崩落した
天狗峰と高岳(後方)
天狗峰方面は立入禁止
阿蘇の外輪山

烏帽子岳(1337m)

13:30 草千里駐車場発
13:55 分岐点
14:15-14:35 烏帽子岳山頂
15:15 草千里駐車場着

次いで草千里へと向かうが、この道のりが意外に遠い。しかも、草千里が近づくにつれ渋滞してきた。
草千里には、これぞ阿蘇という風景が広がっている。その風景にアクセントを与えているのが、背後に聳える烏帽子岳(1337m)である。

阿蘇を代表する風景、草千里
噴煙を上げる中岳

13時30分、草千里の駐車場を出発。
駐車場付近は観光客でごった返しているが、大部分の観光客はせいぜい中央の丘までしか到達しない。草千里を分け入っていくにつれ、静かになる。

草千里をゆく
駒立山

烏帽子岳を登っていく。ミヤマキリシマがパッチワークのように美しい。
わずか45分で山頂到着。草千里がまるで箱庭のようだ。

草千里の向こうに杵島岳
ミヤマキリシマが咲き誇る
烏帽子岳山頂!
烏帽子岳山頂より草千里
パッチワークのよう

反対側から下山。ついでに、草千里中央のこんもりした丘にも登ってピークハントしておく。この丘、「駒立山」(1155m)という大層な名前がついているが、1分くらいで登頂できる。
草千里をぐるりと一周する形で、駐車場に戻ってきた。

杵島岳(1326m)

15:15 草千里駐車場発
15:20 登山口
15:45 杵島岳山頂
16:10 再び杵島岳山頂
16:30 草千里駐車場着

昼過ぎから天気が崩れ始める予報だったが、なんとか持ちこたえそうだ。
15時15分、駐車場のすぐ裏に聳える杵島岳(1326m)へ向かって出発する。
だがこの山、山頂までほぼコンクリートの急斜面と階段のみだった!こういうのが地味に一番キツいのだ。

杵島岳登山口
ひたすら階段①
ひたすら階段②

喘ぎながら登っていくと、30分ほどで山頂到着。それから更にダメ押しで、杵島岳のクレーターを一周する。凄まじい強風。だが、おわんを伏せたようなかわいい米塚は、クレーターの反対側に回らないと目にすることができないのだ。

杵島岳のクレーター
ミヤマキリシマが美しい
米塚が見える
クレーターを一周し、再び杵島岳山頂

やがて、雲がもくもく湧き上がってきたので、慌てて下山する。
16時30分、三山を制覇して駐車場に戻ってきた。やったね!

米塚(登山禁止)
阿蘇坊中温泉 夢の湯

だが、真に恐ろしいのはその後だった。
近くの阿蘇坊中温泉「夢の湯」で析出した塩分を洗い流すと、同時に疲労も析出してくる。
ここから宮崎までの道のりが、果てしなく遠いのだ。クネクネ山道を嫌というほど運転し、高千穂を経由して延岡に至る。さらに東九州自動車道に入り、片道一車線の細くて暗い高速道路をひたすら運転し続けなければならない。
やがて両目の画像が合わなくなり、高速道路のレーンが2重に見えてくる。しかし、途中で休憩できる場所は一切ない。まったく生きた心地がしなかった。


いいなと思ったら応援しよう!