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紅葉の秋田駒ヶ岳周遊:男女岳〜男岳〜横岳〜湯森山〜笹森山
2024/10/14
せっかく盛岡まで行くんだから、八幡平だけじゃもったいないじゃない…ということで地図を眺めていたら、面白そうな山を発見した。秋田駒ヶ岳(1637m)である。
秋田県の最高峰でもある。ただし、秋田県の最高点(highest point)は、鳥海山の東斜面、1757m地点にある。(このように、都道府県最高点が山頂でない例はもう一つある。それは大阪府で、金剛山の南西斜面、1053m地点が最高点である。)
さてこの秋田駒ヶ岳、素晴らしいことに、盛岡から電車とバスを乗り継いでアクセスできるのだ。しかも、朝7時半ごろに登山口(八合目)に着くという。
東北は人口減少が深刻だが、交通機関のインフラに関しては、九州よりもはるかに充実しているように思う。
さらに地図を眺めていると、もう一つの三百名山である乳頭山(あるいは烏帽子岳)への縦走路があることに気づいた。そこから乳頭温泉に下ると、合計8時間ほど。最終バスは18時台なので、なんとか行けそうな気がした。
しかし、それはまったく無謀な計画だった。
いや、秋田駒ヶ岳から脇目もふらずに乳頭山に向かえば可能だったかもしれない。だが、最高の好天に恵まれた秋田駒ヶ岳が、あまりにも美しすぎたのである。
結果的に、八合目を起点として5つのピークを周回するという、贅沢な山行になった。
日本三百名山 146/300
都道府県最高峰 33/47
08:00 駒ヶ岳八合目バス停発
08:25-08:40 片倉岳展望台
09:35-10:00 男女岳山頂
10:35-10:50 男岳山頂
11:30-11:45 横岳山頂
11:55-12:00 焼森山
12:50-12:55 湯森山山頂
13:25 笹森山山頂
13:55 駒ヶ岳八合目バス停
1.阿弥陀池まで
昨日に続き、気合で3時50分に起きる。昨日と同様、盛岡駅のコインロッカーに荷物をブチ込み、5時18分発の始発の田沢湖線に乗り込む。6時7分、田沢湖着。
田沢湖駅は、その人口規模に似つかわしくな立派な駅舎だった。まことに新幹線は偉大である。JR九州は壊滅的な状況だが、少しは見習ってほしいものだ。
続いて6時33分、田沢湖駅前発のバスに乗り、1時間ほどで駒ヶ岳八合目に到着。
ここはすでに森林限界を超えており、いきなり紅葉の只中に放り込まれる。空は真っ青に澄み渡り、絶好の登山日和だ。
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しかし、プラティパスから水漏れしてザックが浸水し、テンションが下がる。片倉山展望台でザックの中身を乾かして、仕切り直し。
それにしてもいい天気だ!
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秋田駒ヶ岳には3つのピークがあるが、その名前が男女(おなめ)岳、男岳、女岳というのが面白い。このうち男女岳が一番高い。
まずは男女岳に向かう。登山道は、男女岳をぐるりと回り込むようにつけられている。
木道を歩いていくと、突然、池が現れた。阿弥陀池である。この日は全くの無風で、男女岳の完璧なリフレクションを写真に収めることができた。
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2.男女岳(1,637m)
池の周りを半周して、男女岳に登る。
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360度の大展望。素晴らしい。
東北の山には顕著なピークが少なく、そのときは岩手山、鳥海山、岩木山くらいしかわからなかった。しかし、あとでこのサイトで調べてみると、東北の名だたる山はことごとく見えていたようだった。
はるか遠く、月山までもが薄っすらと見えていた。秋田駒ヶ岳から月山まで、直線距離で150kmもあるのに!
昨日登った八幡平がどこにあるのか、わからなかったのも道理である。八幡平は、茶臼岳の頂上部分がわずかに尖っているのみで、どこがピークかも判然としないだらりとした山容なのだった。
深田久弥は『日本百名山』のあとがきで、秋田駒ヶ岳を百名山に入れるべきだった、と述べている。個人的には、八幡平よりも秋田駒ヶ岳のほうが百名山に相応しいと思う。だが、百名山に選ばれなかったからこそ、百名山ハンターが大挙して押しかけることもなく、この山にとってはむしろ幸運だったのかもしれない。
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阿弥陀池の背後に横岳(左)と女岳(右)。
遠方は中央左から焼石岳、栗駒山、右手前に和賀岳、右奥に神室山、右端に薄っすらと月山
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男岳(左)の奥に鳥海山、右に田沢湖
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左に森吉山、中央奥の尖った山が岩木山、右手前の禿山は大白森、右奥は八甲田山
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中央のなだらかな山が八幡平、少し左の尖った山が茶臼岳、右手前の尖った山が乳頭山
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左の尖った山が茶臼岳、中央やや左の尖った山が乳頭山、
その右のなだらかな山が爪森山、左奥の大きな山が岩手山
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3.男岳(1,623m)
一旦阿弥陀池まで下って、再び池を半周し、今度は男岳に取り付く。
男岳山頂には祠があり、剣が奉納されていた。
ここから眺める阿弥陀池は、今にも水がこぼれそうだ。
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4.横岳(1,582m)
男岳から少し下ると、横岳への縦走路が分岐している。この道はスリリングなヤセ尾根で、意外に険しい。
ハイマツをかき分けて進んでいくと、横岳に到着!
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5. 湯森山(1,471m)と笹森山(1,414m)
砂の道をさらに進むと、だだっ広い広場に着いた。焼森山頂(1,551m)という立派な標識があるが、山というよりは丘のようだ。
ここから八合目の駐車場までは目と鼻の先だ。もう十分に堪能したし、明日の仕事のことも気になり始めた。一瞬、ここで八合目に戻るのもアリかも…と思う。
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しかし、なにしろ天気が良い。行けるところまで行ってみようと思い、湯森山方面に向かうことにする。
だが、あれほど多くの人がいたのに、湯森山へ向かう道に入った途端に人気がなくなった。笹を刈り取ってつけられた登山道からは土砂が流出し、道がえぐれて歩きにくい。
笹をかき分けて進んでいくと、湯森山山頂に着いた。時刻はすでに1時近かった。
さてどうしよう?そこへ、向こうから人がやってきた。この道に入ってから初めて他人に会った。黒湯温泉から乳頭山を経て、5時間かけて縦走してきたという。ということは、下りであることを考えても、途中で日が暮れてしまう。
諦めて、八合目のバス停に戻ることにする。14時5分発のバスがあるので、頑張ればなんとか間に合いそうだ。
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ここから先の風景も、人がいないだけになおさら美しかった。ここに来て良かった。
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最後の笹森山のピークも踏み、あとは駐車場向かって下りるだけ…と思いきや、途中で川を越えて登り返さなければならず、小さな渡渉もあって若干焦る。
またしてもギリギリ、出発10分前にバス停に辿り着いた。
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途中、「アルパこまくさ」で下車して、温泉に浸かった。
ここから田沢湖駅へは、バスが頻発している。
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田沢湖駅から新幹線に乗り、盛岡で途中下車して荷物をピックアップして、東京へ向かう。3連休の最終日、帰りの東北新幹線は満席で、座ることができなかった。
羽田空港のカプセルホテルで一泊。翌朝6時50分発、始発の飛行機で宮崎に戻り、空港から直接職場へと向かったのだった。うーんハード…