僕は今日、車を捨て靴を手に入れた。
僕の職場は美容室である。
現在、美容室の在り方も少しづつ変わってきている。今まではサラリーマンのように美容室に雇われ会社員として働くのが普通だった。
そこから新しく出てきたのが、面貸しサロン・業務委託だ。
仕事内容はさほど変わらないが、雇われていない分自由が利くのが特徴だ。スタッフそれぞれが個人事業主になり場所を借りて美容業を行う、と言う働き方になる。
ただ中には店長や副店長・チーフといった役職も用意されていて、役職についた時点で幹部と言う立場になり、収入は増える代に働き方にある程度の制限が課せられるのである。
そこで将来のことを考え収入も視野に入れて考えてみた僕は、幹部候補の話を承諾した。
自分で言うのもアレだが、意識が高い自分は夢のためには必要な道だと考え働いてきたが、どこか違和感を感じるようになった。
本来いろんなことを同時にこなすことができない僕は、読書をヤメnoteをヤメyoutubeの編集をやめた。
あれだけ口だけの自分から変わるために、目標のために、自分がやりたいことのために役職についたはずが、気づけば遠いところにいる自分がいた。
ただ役職についてからまだ10ヶ月程度のこと。
誰に聞いてもまだ何もわかるはずがない
始まったばかり。
最初は学ぶことが多いから目標から遠ざかったように思うだろう。
様々な意見が聞こえてくる気がする。
でも僕は今までの人生で、その意見と同じようにいつも自分にそう言い聞かせてきた。自分はまだ未熟、何も学んでない、人や環境のせいにしているだけで何とも向き合っていないと。はたしてそれは本当か?
この歳になってこれだけはわかる。
自分に正直になることが何よりも大切であり、自分に正直になることが何よりも難しい。
どこかで聞いたような言葉と言われるかもしれない。そんなことかと言われるかもしれない。だからどうしたと言われるかもしれない。でも、
どれだけの人が自分に正直に生きているんだろう。様々な理由からどれだけ自分の気持ちに蓋をしているんだろう。もちろんある程度のボーダーは設けなければいけない。そんな当たり前のことはおいといて、
答えはいつも単純だった。
自分が目指す場所に真っ直ぐ向かえばいい。
寄り道したり、行き止まりだったり、戻ったり、止まったり。
それが最短ルートなんだ。
その先にしか自分の目的地はない。
いつも道を決めるのは自分。その判断に対して責任を取るのも自分。だからこそ自分に正直でいられる。
今回もらった役職に対する判断はポジティブだ。
収入は減るかもしれない、将来の出世からは遠ざかるかもしれない。でも限られた世界から踏み出したことも事実だ。
僕はまだ誰も知らない道を歩んでみたい。
僕は今日、幹部をやめた。