【私の専門分野の紹介】医原性廃用症候群とは??
こんにちは。yoshiです。
10月3日(土)に弊社で「医療・介護事業の経営と運営を考える」導入セミナーが開催されました。
参加者も活発でとても有意義な時間を過ごすことができました。
12月6日(日)の開催も決定しましたので、ご興味のある方は是非お越しください。
さて、本日も前回に引き続き私の専門分野についてお話しさせていただきます。
私の専門分野は「褥瘡(床ずれ)」です。そして、前回は「外力」のお話をさせていただきました。
本日は「外力」を排除する方法について少し綴りたいと思います。
まず、「外力」とは何でしょうか?
長い間、「褥瘡(床ずれ)」は圧迫によって発生するといわれていました。
しかし、近年では圧迫だけではなく、ズレや摩擦などの「外力」が内部に応力を与えることによって「褥瘡(床ずれ)」が発生することが分かってきました。
そのため、圧迫を排除するためにエアマットレスや車椅子などの用具を対象者にあったものにすれば良いわけではなく、体位変換時などで皮膚と服、マットレスの間に起こるズレや摩擦にも配慮する必要があります。
在宅褥瘡患者のサービス担当者会議などで多い会話に、
「褥瘡ができたから高機能エアマットレスに変更しましょう。今はとてもいいものが開発されています。単位も足りるのでまずはマットレスを変更しましょう。そうすれば治りますよ。」
私はいつも「そんなことはない!!」と言います。
なぜなら、それは原因を追究していないからです。
「褥瘡(床ずれ)」が発生した原因を分析しなければ、治癒したとしても必ず再発しますし、最悪の場合は治らなかったり悪化します。
圧迫が原因なのか?ズレが原因なのか?安静臥位時なのか?体位変換時なのか?・・・
これらが分かった上で原因となった「外力」の排除をしなければ根本治療にはならず、ただの対処療法です。
そんなん、リスクが高いんやから、ずっと高機能エアマットレスを使用したらいいやん!そしたら「外力」を排除し続けれるやん!
という方がいるかもしれません。
しかし、私はこの考えが「医原性廃用症候群」を生んでしまうと考えています。
「医原性廃用症候群」とは、対象者の身体活動量を考慮せずに必要以上の安静臥床を強いらせた結果、治療が終了した後に身体機能が低下してしまう状況です。そのため、「医原性」と付けています。
治療のために必要な安静をして、それに伴う身体機能の低下は仕方ありません。
必要以上の安静を強いらせることが問題なのです。
ここで重要なことは身体活動量を考慮しなければならないということです。
例えば、座位保持や起き上がりをできていた方が、褥瘡ができた際に高機能エアマットレス(そこまで必要なかったのに)に変更して、褥瘡が治癒が治癒したとします。
しかし、高機能エアマットレスに変更したことによって、治療期間中に起き上がりや座位をとることができなかったため、起き上がりができなくなり、座ることもできなくなってしまった場合、それはその方が望んでいた治療なのでしょうか?
私はこのように必要以上の環境整備をしたことによって起こる廃用症候群は医療が問題だと思っており、これらを「医原性廃用症候群」としています。
ですので、身体活動量を考慮した適切な用具の選択をしていかなければならないと思っています。
本日はこのぐらいで・・・(次回も引き続き専門分野について綴りたいと思います。)
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