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自然エネルギーマニアがエネルギー不足を招く(ブルームバーグ)

自然エネルギーマニアがエネルギー不足を招いたことを、ブルームバーグがついに認めたようです。

https://michaelshellenberger.substack.com/p/finally-bloomberg-admits-renewables

2017年から2021年にかけて、マイケル・シュレンバーガーらは、「天候に左右される自然エネルギーは電力をますます不安定で高価にし、米国、欧州、アジアを、危険なほど天然ガスに依存させている」と主張した。これに関する調査を行い数十本の記事を発表し、議会でも証言し、書籍『Apocalypse Never』を出版した。
これに対して、進歩的な気候変動活動家たちは、シュレンバーガーらの資金援助を打ち切り、フェイスブックで検閲し、議会証言を阻止しようと組織的に取り組み、ある程度の成功を収めた。
ところが、天然ガスと自然エネルギーの最大の推進者の一人であるメディア大手ブルームバーグのオーナーであるマイケル・ブルームバーグ氏が、以下のことを発表した。彼は天然ガスと自然エネルギーに直接投資しており、シュレンバーガーらが長年にわたって指摘してきたことをほとんど認める記事を発表した。
ヨーロッパは、何年続くかもしれないエネルギー危機の中を夢遊病者のように彷徨っている」という見出しである。この記事は、ヨーロッパが「石炭火力発電所を閉鎖し、自然エネルギーへの依存度を高めている」ため、この危機は「何年も前から起きていた」と結論付けている。
ブルームバーグは相変わらずパンチのきいた発言をしているが、誤った表現をしているところもある。この記事は、他のブルームバーグの記事と同様、自然エネルギーの導入を、過去の薪から石炭、石炭から天然ガスへの移行と同様の「エネルギー移行」と誤認しており、エネルギー密度の希薄な自然エネルギーが保有する貧弱な物理学がそれを不可能にしていることを認めていない。欧州のエネルギー危機は、無知の結果であることを示唆している。
しかし、この記事の功績は、エネルギー危機の中で、「ヨーロッパが信頼性の低い自然エネルギーに過剰な投資をし、信頼性の高いエネルギー源に過小な投資をした直接の結果である」ことを認めたことである。「風力と太陽光はクリーンだが、時に気まぐれだ。昨年発生したタービン発電の急激な落ち込みが物語っている」と。
さて、Environmental Progressの新しい分析によると、ドイツは昨年CO2の排出量を増加させ、今年もまた増加させる可能性が高いことが分かっている。気象条件と電力需要が2021年と同様であると仮定すると、ドイツにおける化石燃料による発電量は、2021年が39%、2020年が37%、それに比べて今年は44%になることが予想されている。ドイツの電力部門由来のCO2排出量は、2021年2億4400万トンから、2022年には2億6400万トンに増加する見込みである。
また、ブルームバーグは、ヨーロッパが本格的なエネルギー危機に陥っていると指摘している。「欧州の天然ガス備蓄書である塩の洞窟、帯水層、燃料貯蔵庫が冬のこの時期にこれほど空っぽになったことはない」と指摘し、「大陸は供給不足と格闘しており、基準ガス価格が昨年の4倍以上になって、企業や家庭を圧迫している。この危機は、天候とプーチン大統領の策略によってEUを翻弄するもので、どちらも予測が難しい。
2013年から、フラッキングによるアメリカの天然ガスがヨーロッパに運ばれ、ヨーロッパの痛みを和らげてくれることは事実である。一方、フランスは原子力発電所の管理を著しく誤り、危機の最中に出力が30%低下するという恥ずかしい結果を招いた。
ブルームバーグは、アメリカの液化天然ガス(LNG)による救済は、「せいぜい一時的なものだ」と指摘している。天然ガスの貯蔵所は56%しか埋まっておらず、10年平均より15%以上低い。ロシアの輸出が増えない限り、3月末までに15%以下になり、過去最低になる。冬の最も寒い2ヶ月がまだ続くので、ヨーロッパはガス欠になる恐れがあるという。
また、原子力エネルギー不足は、原子力発電所の必要性を強調しています。なぜなら、原子力発電所は信頼性が高く、うまく管理すれば天候に左右されずに稼動するからである。太陽光発電所がどんなにうまく管理されていても、天候を変えることはできない
現在、ロシアはウクライナとの国境に軍隊を集結させ、侵攻する可能性がある。ヨーロッパに供給されるロシアのガスの3分の1はウクライナを経由しているため、これは問題を引き起こす。戦争が起きれば、ヨーロッパは深刻なガス不足に陥る可能性がある。天然ガスや再エネに過度に依存し、原子力への投資を抑えているため、ロシアのガスに依存している国の首脳は、侵略に対して反対の声を上げにくく、欧州のエネルギー安全保障、ひいては国家安全保障が損なわれることになる。
天然ガスや再生可能エネルギーを長年支持してきた人たちも、危機的状況であることに同意している。「ロシアのエネルギー輸出を制裁することによりヨーロッパのエネルギー危機を悪化させたくないという願望がある。その一方で、ロシアがヨーロッパへの天然ガス輸送量を制限して報復する可能性があるという脅威もある。これらによって、ロシアの侵略に対する欧米の対抗能力は制約される」と元高官はブルームバーグに語っている。
新型コロナは多くのトレンドを加速させている。そのうちの1つは、信頼性が低く天候に左右される自然エネルギーでは、現代経済を動かすことができないという認識である。ジョー・マンチン上院議員は、12月にBuild Back Better法案を否決した際、「自然エネルギーが、アメリカの電力の信頼性を低下させる役割を担っている」ことを強調した。また、オランダが原子力発電の拡大計画を発表した際に、信頼性の高い電力の必要性に言及した。
今、米国東部のニューイングランド地方は、ヨーロッパと全く同じ理由で、エネルギー不足の深刻なリスクに晒されている。アメリカ国民とその代表者は、「現代社会は信頼性の低い自然エネルギーに頼ることができない」という現実に完全に目覚める時が来たのある。
再エネ産業やフェイスブックのザッカーバーグ、ショーン・キャステン議員らの独断的支持者は、来るべき危機に警告を発した人々を検閲し、さもなければ封じ込めようとしてきた。それを止めることが、現在起きているエネルギー危機を解決する第一歩になるだろう。

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