「完全型」風力-太陽光-蓄電システムの非現実性
The Manhattan Contrarianのフランシス・メントンが、2人のドイツ人が行った研究発表について意見を述べています。その研究は、ドイツの「完全型」再生可能エネルギー電力システムにおけるエネルギー貯蔵の必要性に関するものでした。
メントン氏は、「現代経済において、化石燃料による発電を、短期間ですべて風力-太陽光-蓄電池だけに置き換えようとすることは、全く実現不可能であること、まさに馬鹿げていることを証明するものだ」と述べています。
発送電のバックアップ(化石燃料)がない風力や太陽光発電は、間欠性の期間をカバーするために、膨大な量のエネルギー貯蔵が必要です。
2020年1月、メントン氏は 、風力-太陽光-バッテリーの発電システムを米国で検討したグレゴリー氏の研究についてコメントしています。その研究では米国での電化総資本コストが約433兆米ドル、すなわち米国の2019年の国内総生産の20倍になるとしていました。
ドイツの研究は、経済全体の電化によって3倍以上になる可能性のある需要の話ではなく、現在の電力需要だけを供給することを扱っている。 この研究では、24日分の蓄電を想定し、風力・太陽光発電システムの銘板容量が平均的な電力需要の5倍になるよう大量に建設した場合の計算です。
その研究では、供給側に約300GWの可変型の再生可能エネルギー発電機が設置されており、それぞれの出力容量は、太陽光発電9200万kW、陸上風力9400万kW、洋上風力9800万kW となっていました。
ちなみに、ドイツの現在のピーク需要は100GW台、平均需要は60GW台です。必要な蓄電池は56TWhで、平均電力の約24日分に相当し、コストは約7兆5,600億円となるとのこと。
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