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太陽光パネルの設置義務化について

はじめに

東京都や川崎市などで、太陽光パネル設置義務化が計画され、答申案が提出されて審議会で諮られようとしています。

東京都の義務化について、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏は動画でメッセージを発信しています。


さて、設置義務化に対して個人的に気になることを挙げてみましょう。

1)補助金及びFIT制度について

・他人のお金である税金を沢山使うことの喜びは明白かつ永遠の真理です。しかし、このような補助金制度への移行がもたらす弊害は、微妙で破壊的なものです。

・補助金制度やFITは、裕福でない人からも税金という形で徴収、それをパネルを購入できる程度に裕福な人たちに補助金という形で分配するものです。パネルを設置した人は、補助金、売電費用(17円/kWh)、自己消費による電気代(31円/kWh)の節約分の合計から経費を引いたものが、利益としてリターンされます。

・現在徴収されている再エネ賦課金の他に、新たな制度を浸透・普及させるためにインセンティブとして、補助金制度、つまり新たな税金を取り立てようとするのではないでしょうか?

2)他の地域での問題点について

・再エネ(太陽光など)を普及させようとしている試みは、カリフォルニア、アメリカ北東部、ヨーロッパでも見られています。非常に高価(コスト参照)で信頼性が低く、環境破壊的(製造地参照)な非従来型電力の普及を目的として大規模な政策的優遇措置が取り入れられていますが、カリフォルニア州などでは、停電の発生率が増えたと言われています。

3)設備容量の低さとコストについて


・太陽光はいつでも得られるわけではなく、システムの信頼性を保つために従来のバックアップ装置が必要です。米国エネルギー情報局では、ガスコンバインドサイクル発電は1MWhあたり39.94ドル、太陽光発電+バックアップは1MWhあたり151.69ドルとしています。太陽光発電が本当に「無料、低コスト」なら、なぜ補助金が必要なのでしょうか。

・経産省の各電源によるコストの比較は、LCOE(平準化コスト)によるものであり、実際には15%程度しか発電しないことなどを考慮していません。それらを考慮すれば、少なくても火力発電や原子力発電の5倍程度のコストになると言われています。

4)太陽光パネルの製造地について

・住宅用のパネルは、その7割が日本国内製のパネルを使っており、産業用を含めると43%になるなどと書かれていることがあります。それでも50%以上は、人権問題が問題視されている中国の新疆ウイグル地区などで製造されています。

・中国でのジェノサイド(民族抹殺)は、国際社会が認めるところとなっています。先進諸国は軒並み非難決議をしています。国連においても、人権高等弁務官事務所が「深刻な人権侵害が行われている」とした報告書を8月末に公表しました。

・日本の事業者も当面は国内製を使うと言っているようですが、より多くの利益を確保するために、将来は安い中国製を使うこともあり得ることです。だれも保証はできません。ジェノサイドの下に製造されたソーラーパネルを屋根の上に設置して、その下で生活することになります。

5)太陽光パネルを設置しても1.5℃以内はクリアできない

・2050年のネットゼロ達成までに、我が国がCO2対策を数百兆円という財源を使って実施したとしても、気温降下に対する影響は、0.00X程度だと言われています。東京都の寄与は、0.000Y程度でしょう。パリ協定の約束を履行したとしても、誰から称賛されるわけでもありません。恐らく、他の国は適当に対応してお茶を濁すだけでしょう。我が国の自己満足にはなるかも知れませんが、最悪のコスパになると考えられます。より良い成果の出ないことに大枚を支払うのは行政の大きな失態であり、市民に対する犯罪だと言っても良いかも知れません。


6)その他

・機器の劣化、廃棄処分、屋根の原状回復などに掛かる費用については、YouTubeで発信されているので参考になります。

・パネルの廃棄・処分、リサイクルについては、将来大量廃棄されることを考えて、法整備や管理型処分地の確保や整備などが必要となります。将来、そうした処分地の確保は簡単ではないと想定されるので、周到な準備が必要でしょう。リサイクルについては、現在、東京パワーテクノロジ社(扇町)などが実施していますが、将来は処理数と処理能力の問題が発生すると思われます。それでも、リサイクルできない部材、部品などの廃棄の問題は残ります。それ以外にも...

おわりに

東京都のパブコメの結果は、賛成が反対を10数ポイント多かったと聞いています。若い人の賛成が多かったようですが、『空気』で回答したのでないと思いたいですが...いずれにせよ、最後は個人で判断することですが、行政の責任は重いと言わざるを得ません。

 

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