#1 旅行を思い立ってから
はじめに
これは初めてひとりで海外旅行に行った私の記録。
行き先はクリスマスシーズン真っ只中のドイツ。
同じようにひとり旅、ドイツ旅行を考えている方の参考になればと思い、書き連ねます。
そうだ、ドイツ行こう
2019年10月初め、年内の仕事がいつになく早く12月20日に終わりそうだと分かり「海外へ、それも少し遠いところへ行くなら今年しかない!」と思い始める。
とはいえ、そんな早くから休みが取れて一緒に行ってくれそうな友達なんていない。……ついにこの時が来たか。海外ひとり旅。いつもなんとなく同行者にくっついて飛行機に乗っていた私がひとりで行って帰って来れるのか? 大丈夫! 私なんかよりうんとぼんやりした人でもちゃんと行ってるし帰って来てる!! よし、「初ひとり海外」決定!
行き先は、はて。
どうせなら行ったことないところへ行きたい。(私の場合「新しい」ことの価値は何より高い) となると前から行きたかったバスクかポルトガルか、はたまた南仏を巡る旅か……
あ、クリスマスか。ならドイツか。
毎年梅田のスカイビルでやっているクリスマスマーケット。あれも充分楽しいけれど、本場となればさぞかし素敵だろう。安直な発想で行き先は「ドイツ」と決まった。
申し込めない理由
善は急げ。早速そそくさとH.I.S.のカウンターに向かった私だったが、ここで思わぬ事態が発生する。
ただ漠然と「ドイツ」に行きたい、というだけでは、旅行の申し込みなんてできないのだ!
もちろん「ドイツ5泊7日の旅」なんていうパックの商品はある。でも、でもでも、そういうんじゃなくて!! もっと自由に、クリスマスマーケットを楽しみながら、ドイツの人たちの暮らしに少しだけ溶け込むような、そんな旅がしたいの!!!
というぼんやりしたイメージだけはいっちょまえにあるくせに、具体的にどの街に行くとか何を見るとか何にも決めずに、調べもせずにカウンターに行ってしまったアンポンタンは私だ。H.I.S.のお姉さんに希望を聞かれてもフワッとしたことしか答えられなかった。たぶん、その場であれこれ質問しながら適当にルートを決めることは可能だっただろうが、無限の可能性の中から思いつきや人の言いなりでせっかくの旅の内容を決定してしまうのはよく考えると嫌すぎる。
結局、お姉さんにも「本屋さんに行けばドイツのガイドブックいっぱいありますから」と少し慰めるように至極当たり前のことを言われて、その日はすごすごとH.I.S.をあとにした。
旅が「見えてきた」!
翌日、お姉さんに言われた通り本屋さんでガイドブックを開いてみると、確かに街によって雰囲気はずいぶん違う。何冊かめくったところで行き先がはっきりと見えてきた。
▼関空からの直行便の到着地であり美しい街並みとバイエルン料理&ビールが待っている「ミュンヘン」
▼モダンでキッチュなセンスがにじむ、絶対私と気が合いそうな「ベルリン」
この2つの街に行こう! そう決めて再びH.I.S.のカウンターに行き、航空券とホテルを申し込んだ。
10月9日、出発まで2か月と少し前である。