#30 保安検査を待ちながら
ルフトハンザ航空のカウンターにて
2019年12月26日、ベルリン・テーゲル空港からミュンヘン経由で日本に帰る私は、ド早朝のテーゲル空港でルフトハンザ航空のカウンターが開くのを待っていた。朝食を食べたり、重いスーツケースをひきずりながら空港の中をぶらぶらしたりしていると、午前5時ごろカウンターが開いた。
預けられる荷物は23キロまでと書いてあったが、計ってみると22キロ! 結構ギリギリだったんだ…… ボディソープやらハンドソープやら液体系が効いているのかな。
と、私はここでH.I.S.のお姉さんに言われたことを思い出した。厳密に言うとお姉さんに言われて旅程に★つきでメモしたことを思い出した。
「荷物はおそらくミュンヘンでピックアップしなくても(つまり、自分で積み替えなくても)そのまま日本に帰ってくると思いますが、一応、帰りのカウンターで『バッゲージスルー希望です』と言っておくと安心です」
いけないいけない、忘れるところだった。カウンターの男性に「バッゲージスルーでお願いします」と言うと、「オー! 大丈夫大丈夫。ちゃんと日本まで届けますよ」と言ってくれた。当たり前じゃん!みたいなノリだったので一安心。
かくしてリュックとポシェットだけの身軽なスタイルになった私は指定されたA02の保安検査場へ向かった。
扉はいつ開く?
午前5時45分、さっさと荷物が預けられたのはいいものの、保安検査場の扉は固く閉ざされたまま。開く気配もない。本当にここでいいのか? 同じ飛行機に乗ると思しき中東系のお兄さんも周りをキョロキョロ見回していて、たまに私と目が合う。不安を共有しているみたいだ。
掲示板には搭乗予定のLH2029 の文字があるから、ここで間違いないと思うんだけど……
……って、さっきからウロチョロしてる蛍光カラーの派手なジャケット来た女子2人組ー! よく見たらジャケットに「information」って書いてあるやーん!!
「す、すみません! LH2029に乗るんですけど、ここで待ってたらいいんですよね?」
「大丈夫ですよー! 出発の90分前にしか開かないから7時くらいですね。じゃあ良い旅をー!」
なーんや! ここでよかったんかーい。ほっ!!
あと1時間ほど、またちょっとぶらぶらするか。
テーゲル空港の中をぶらぶら
テーゲル空港は建物そのものが六角形だからか、いたるところに正三角形や、60度、120度の角度がデザインに組み込まれている。
空港内のピクトグラム。左端は何かな?と思って後で調べたら待ち合わせスポットですって。
ペットボトルやお菓子の自動販売機。よく見ると、一番下の段にサウナのレストランで飲んだMezzo Mixもある。
ミネラルウォーターが3€。空港価格かな?
A02の保安検査場入口あたりに戻って行きかう人をぼんやり見ていると、ドイツ人男性は、若い人はカフェ・ルイトポルトの店員さんみたいながっちり系髭男子、中年以上はぽってりしたおじさんがほとんど。特に若い人は、うっすらなりしっかりなり、何かしら髭を生やしている人が多かった。
空港内では、時折、アナウンスが流れている。ドイツ語、英語、そして3か国語目は中国語だ。中国語圏の利用者が多いのだろうか。
保安検査所前のベンチに、先ほどの中東系のお兄さんが戻ってきた。お兄さんも私と同様、小さなメモ帳にカリカリと何かを書き留めている。こうやって細かいことをメモできるのは一人旅の醍醐味かもしれないですねえ、お兄さん。
さあ、そろそろ午前7時。ガラスの向こうでは空港スタッフの動きがあわただしくなってきた。そろそろ扉が開きそうだ。