#29 さよならの朝

起床ミッション

2019年12月26日、8時半の飛行機でベルリンを発ちミュンヘンで乗り換えて日本に帰る日だ。

出発前、すべての旅程の中で一番不安だったのが、この日無事起きられるかどうか。

8時半の飛行機なので5時ホテル発、6時空港着の予定にしていた。国内線に乗るのに2時間半も前に着くなんて早すぎるが、何があるかわからない。念には念を入れる派なのだ。5時にホテルを出るためには4時くらいには起きて身支度やら最終チェックやら済ませたい。

4時か…… 起きれるだろうか……

しかし実際にドイツに来てみると不安は半減。これまでの記事にも書いたように、強固な体内時計のおかげで異常なまでの早寝早起きが続いていた。

案の定、この日も目が覚めたのは午前2時20分。いや、何もそこまで早くなくてもええねんで。自分にツッコミながら軽く朝ヨガをすると気分もスッキリしてきた。起床ミッションクリアである。

そうこうしているうちに午前4時。これ以上部屋にいてもナニなので、チェックアウトして空港へ向かうことにした。

ホテルの受付の人、チェックインの時には「タクシーなら呼べば5分以内に来ますよ」と言っていたが、本当だろうか。半信半疑ながらタクシーを呼んでもらう。いくら駅の近くとはいえ、こんな早朝にそんなすぐ……来た。ものの2~3分で来た。疑ってすまなかった。私がメロスなら力いっぱい頬を殴ってもらうところだった。

タクシーでテーゲル空港へ

中東系の運転手さんに「空港までお願いします。ルフトハンザに乗ります」と告げると「テーゲルでいいの?」と確認された。あ、そういえば、ベルリンにはもう一つ空港があった。テテテ、テーゲルでいいんだ、よね? 心臓バクバクしながら確認すると、テーゲルで合ってました。ほっ。

空港に近づくと、電光掲示板に航空会社別の乗り場が案内されている。「ルフトハンザは、えーっと、B24ね」と確認してその前まで乗せてくれた。終始にこやかで感じのいい運転手さんだったなあ。

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にしても、ベルリン中央駅からテーゲル空港、めちゃ近。ものの20分ほどである。もともと移動時間1時間と見ていたのが20分。その上予定より1時間も早くホテルを出てしまったので、この時点で4時半。空港のカウンターももちろんまだ空いていない。よし、空港の中を少しうろうろしよう。

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雨粒を強く感じるほどではないが、霧のような雨が降っていて地面は常に濡れている。旅の間、だいたいこんな感じだった。

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空港で朝食を

空港の中にKampsという有名なパンのチェーン店が入っていた。プレッツェルもいいけど、景気づけに甘々のパンを食べたい気分だったのでコーヒーとともに注文。コーヒーは「ストロング?」と聞かれた。ドイツのコーヒーはだいたいマイルドだと学習していたのでストロングにする。

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飲むとやっぱりストロングでちょうどいい。パンの甘さが旅の終わりのセンチメンタルな気分にしみる。

帰国してから知ったのだが、このテーゲル空港、2020年に閉鎖されるとのこと。新しく開港するブランデンブルク空港は中央駅から少し遠くなるみたいだ。便利なテーゲル空港がなくなってしまうのは悲しいけど、なくなる前に来れてよかった。

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