#33 日本に戻る日
搭乗ゲートへ
2019年12月26日、私はミュンヘン空港で関空行きのフライトを待っていた。レストランで最後のビールを飲んだり免税店でユーロを使い切ったりしている間に、確定していなかった搭乗ゲートがH32に確定したようだ。そろそろそちらに向かおう。
H32ゲートに向かう途中、こんな仮眠ブースがあった。今度よっぽど早く着いたら利用してみたい。
さあついに、最後のフライトだ。さようならミュンヘン。さようならドイツ。きっと、必ず、また。
日本に帰るのだな
午前11時40分、搭乗開始。往路と同じく「トイレに近い通路側の席」を、追加料金を支払って座席指定しておいた。予定通りの席に腰を下ろしたら、あとは座っているだけで関空に着く。
飛行機が飛び立つ。ああ、これでいよいよだな。フェリーから色とりどりの紙テープを投げるように、流れ出した窓の外の風景との別れを惜しむ。やがて地上の景色は見えなくなり、窓には空しかなくなった。
最後のフライト
ミュンヘン出発は26日の昼12時20分だが、11時間のフライトを経て関空に到着すると、びゅーんと進んで27日の朝7時20分。変な感じだ。
「水平飛行に入りますと、しばらくののち、冷たいお飲み物、そのあと温かいお食事とお茶、そしてコーヒー紅茶、到着2時間前には朝食のご準備がございます」
コーラゼロを飲んで「アルキメデスの大戦」など見ているうちに機内食の時間。12月26日ということでぎりぎりクリスマスの特別メニュー「伝統的なガチョウのロースト」があったので迷わずチョイス。
ガチョウもおいしかったけど、空港でもローストポークについてきたもちもちのポテトダンプリング(クヌーデル)がソースとよく合っておいしい。何気にうどんも結構いけた。
その後、周りの人を見て「このカップル二人ともガサツやな。まあ、どっちかだけがガサツやったらもたんわな」とか「ワンオクのパーカー着てる人いる! ドイツにもファンがいるなんてすごいな」とか思ったり、オーシャンズ8観てスッキリしたり、自由自在にトイレに行ったりしている間に、朝食の時間。
チーズと黄パプリカのサンドイッチ。生ハムがいいアクセントになっている。往路のカボチャペーストのサンドイッチもおいしかったけど、これまたうまい!
やがて窓の景色が朝焼けの雲海でいっぱいになり、「当機は間もなく関西国際空港に到着します」とのアナウンス。
ああ、日本に、大阪に、帰ってきちゃったんだな。
帰ってきちゃった
12月27日午前7時15分、関空に到着。バゲージはロストすることなく無事ベルトコンベアに乗って戻ってきた。
借りていたWi-Fiをショップのポストに投函して返却したら、南海特急ラピートに乗って大阪市内へ。午前9時15分、1週間ぶりに自分の家に帰ってきた。
「やっぱり家が一番やー!」
戻る場所があるから旅は楽しい。そして、旅があるから日常もまたいっそう愛おしく思えるのである。