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現役エンジニアが2021年の未経験エンジニア転職市場を振り返る
こんにちは!よーすけ(Twitter - @yosapro)と申します。
都内のHRTech系サービスを運営する自社開発企業の正社員として1年半勤めた後、地元愛知に戻り、現在はフルリモート環境でフリーランスとして主にベンチャーのフロントエンド/バックエンド案件を担当しています。
正社員時代にWantedly採用の中心メンバーとして未経験者のプロフィールチェックや面談を述べ数百人分担当し、フリーランスとなった現在は雑食系エンジニアサロン公式メンターとして、エンジニア転職を目指す未経験者のプロフィール添削やポートフォリオレビュー、面接対策を担当させていただいております。
現在は「現役の採用担当エンジニア」という肩書きではなくなったものの、
未経験者の転職支援に従事し続けてきたことで、リアルな転職活動事情を目の前で見てきたこと
実際に自社開発企業から内定を勝ち取った方々から、「どのような点を企業側から評価されているか」「サポートを受けてみて、どのような点で効果があったと感じるか」などのフィードバックを受けてきたこと
他の現役エンジニアや採用に精通する関係者との交流を通じて、最新情報をキャッチアップしてきたこと
以上の3点から、採用の現場には立てなくとも、企業側に評価される人物像はしっかり思い描けておりますので、今回は2021年を振り返って、withコロナ時代の未経験エンジニア転職の実情と、これからの転職戦略について語っていきたいと思います。
また、前回ご好評いただいた2020年版の記事をまだご覧になっていない方は、1年間でどのように変化したかを実感しやすくなりますので、是非ともご覧になってから2021年版をお読みいただければと思います。
注意点
記載内容はあくまで個人の見解です。サンプル数が十分でないデータも含まれますので、全てを鵜呑みにせず、数ある情報の1つとしてご理解ください。
Web業界を対象としていますので、SIer業界は考慮していません。予めご了承ください。
先に結論
依然高難易度ではあるが、ブームは過ぎ去ったか
2021年12月現在、新型コロナウィルスが日本に流行し始めてから約2年となりました。
将来に対する不安・キャリアを考える機会が多い社会情勢の中、未だWeb系エンジニアは人気職種であり、一定の学習期間を経て自走力を証明すれば異業種未経験からでも現実的に転職が可能とあって、昨年に引き続き転職希望者の数が企業側の受け入れ体制を大幅に超える状況は続いています。技術力を含めた求められるスペックも徐々に高まりつつありますので、ハードな道のりであることは変わりません。
ですが、2019年から2020年の加熱感よりは若干落ち着いている印象を受けています。
2021年の未経験採用の現状
まずは、2021年の現状を確認していきましょう。
◆企業側
・求人数は横ばい〜若干増加
リモート元年である2020年は、リモート環境下における未経験者の教育という面で不安が伴い、求職者の急増に反して採用枠が絞られたことで、最難関の年となってしまいました。
あれから約1年が経過した2021年現在、Web業界での未経験採用枠はどうなってきたかというと、実は思ったより回復しませんでした。
巣篭もり需要によるWebサービスの好調を実感した企業が多いのも事実ですが、未経験採用を検討する企業というのは、比較的小規模で歴史の浅いスタートアップを中心としているので、全社員に占める未経験者1名のインパクトが大きいですから、教育面での不安や、事業の見通しが立たない中ではまだまだ慎重な姿勢は変わらないようです。
・出社が条件の内定が多い
実際に内定を獲得した方に伺ってみると、フルリモートからのキャリアスタートはあまりなく、多くは一部またはフル出社のスタートアップからの内定でした。
対面であればコロナ前と同じく、すぐそばで教えることができますので、教育に対するハードルは下がります。これから事業を成長させていこうというフェーズでしっかりコミットしてくれる人であれば、伸びしろに期待して内定を出す企業もあるというわけですね。
◆求職者側
・全体のレベルは上がってきている
エンジニア転職を志す人の中に、学歴・職歴等がハイスペックな人や、以前よりもハイレベルなポートフォリオを作り上げる人が増えたことで、上位層のレベルがどんどん上がっていってるのは例年の通りです。
特に今年は、SIerや事業会社のシステム部門出身者を見る機会が増えました。全くの異業種から入ってくる人たちと比べると、かなり魅力的に映ることは間違いありません。
・転職市場の未経験者は若干減っている
また、上位層がハイレベルになり、その情報が徐々に浸透することで、「やっぱり自分には向いてない、辞めた」と挫折する人たちも割合として増えるため、実際に転職活動に進む求職者全体のレベルは年を重ねるごとに底上げされています。
スクールの課題をそのまま出してくるような人
低レベルなポートフォリオ / ひどいプロフィールのまま応募を連打する人
2020年に採用担当者から「勘弁してくれ」と言われた以上のような人たちも、それほど聞かなくなってきました。
・出社条件はむしろ歓迎?
実際に出社条件の内定が多かったわけですが、Web業界というリモートでの働きやすさトップクラスの業界でわざわざ出社を強要されることは、「早くエンジニアになってリモートワークがしたい!」と考えていた人たちからすると、訳あり物件のような見劣りを感じてしまうかもしれません。
しかし、内定獲得者の多くはこの出社という条件を逆に歓迎している風潮があります。
リモート環境というのは、教える側に不安が伴うのと同様に、教えてもらう側の不安も大きいのです。
厳しい自粛ムードの中、彼らはオフラインの交流会や通学型プログラミングスクール等で、一緒に勉強する仲間や先輩エンジニアに相談する機会はほぼなかったことでしょう。学習環境は常にオンライン。直接対面で話す当たり前を奪われたからこそ、テキストやオンライン通話でのコミュニケーションの難しさは、彼らが一番よくわかっています。
エンジニアとしてのキャリアスタートを切る最初だけは、場所に縛られない働き方という憧れは一旦置いておき、すぐそばで先輩エンジニアに教われる環境を優先するという、合理的な選択をする人が多いのも理解できますね。
未経験転職における環境の変化
例年に比べて2021年特に影響が大きかったと感じられた環境の変化について見ていきましょう。
・転職難易度に関する情報の浸透
転職成功者が増えたことで、インターネット上では未経験からエンジニア転職に必要な
学習時間
教材
学習範囲
学習順序
ポートフォリオのレベル
転職サイト
転職までの平均期間
トータルコスト
などが簡単に調べられるようになってきています。転職成功Noteなどが最たる例ですが、プログラミングスクール自身がカリキュラム説明で発信していることもありますね。他にも、転職成功者自体の母数が増えたことで、オンラインコミュニティなどで直接お手本となる先輩方に聞くことも容易になってきています。
やるべきことがわかることと、それを実際にやり切れるのかどうかは別問題ですが、やはり情報が可視化されてきたことで、ライト層の新規参入には大きな影響を与えました。転職までの具体的なイメージができない状態では「自分にもできるかも」と挑戦してきた人たちでも、難しさがよくわかると「自分にはできない」と挑戦を諦めてしまうのです。
年々「こんなすごいポートフォリオを作る人が現れたのか!?」とSNSで話題になりますが、学歴・職歴などとは違い、これからコントロール可能なもので最大限のアピール材料を作ってくるポテンシャルの高い人の登場は、未経験転職市場を盛り上げ、同時に採用ハードルを上げることで、企業は優秀な人たちの獲得が可能となり、「未経験だから」というレッテル貼りから徐々に脱却できていくではないでしょうか。
・最大手プログラミングスクールの衰退
情報の可視化は良い情報だけではなく、同時に悪い評判も世間に広めることとなりました。
皆さんは、「マコなり社長」Youtubeチャンネルの無期限休止をご存知でしょうか?最大手プログラミングスクール「テックキャンプ」を運営する株式会社divの代表取締役を務める真子就有さんが、自身のYoutubeチャンネルにて、経営に専念することを理由にYoutube活動の無期限休止を発表しました。
約600人いた従業員が、大規模な人員整理と希望退職により約300人に減ったことが、8月ごろにネットニュースなどでも話題となりましたが、その背景には
2021年1〜3月に行った資金調達の元、人材の大量採用・教室拡大を図ったものの、コロナによって大きな打撃を受けた
と語られています。
タイミングが悪かったことも事実だと思いますが、昨年の記事でも書いた通り、テックキャンプ卒業生はWeb系企業の採用担当者にはとても評判が悪く、受講生の満足度もあまり高くなかったことも大きな要因です。
「転職成功率99%」という数字に踊らされ入学し、オリジナルポートフォリオのサポートは一切なし。中途半端な状態で卒業し、転職活動は応募数重視で転職サイトから応募を連打。希望の自社開発企業から内定が出ず、キャリアアドバイザーからはSESを勧められるといった流れです。
当然本人の努力不足もあるのですが、これらの評判はSNS・ネット記事等で広まり、受講者数も徐々に減少しているとのことです。コロナ以降も、一時期は週に数回の通学が可能だったようですが、現在は固定費削減のためか、完全オンラインへ移行し、教室は全て閉鎖されています。
皮肉にも、冒頭に書いたようなレベルの低い人たちの挫折率は上昇し、転職市場における量産型プログラミングスクール卒業生の割合は減った形です。
(テックキャンプが過去にあげた「テックキャンプ7つの闇」という動画に対しての意見をまとめた記事も書いておりますので、よければご覧ください。)
内定獲得者の特徴
私が採用担当者ではなくメンターとしてエンジニアになりたい未経験者と向き合ってきたことで、多くの内定獲得者を見てきました。ここでは直近の内定獲得者の特徴を見ていきましょう。
※この章では、雑食系エンジニアサロンでの実績を元にお話ししますので、未経験エンジニア転職界全体を表すものではありません。予めご了承ください。
◆学習方法
・独学 + コミュニティ参加 + 専属メンター
昨年の記事で私が紹介した■2021年の未経験転職戦略■が上記の組み合わせだったのですが、高額プログラミングスクールよりも安価かつ短期間かつ高品質な学習成果が出ています。
後に紹介する技術レベルのポートフォリオを作り上げる人は特段珍しいことではなく、サロン内では「日常」と化しています。現役エンジニアが考える最適解を、自走力のある人が実行に移しており、内定獲得者に絞れば、今後も主流となることは間違いないでしょう。
・スクールに通っていたかどうかは関係ない
雑食サロンの中でも、スクールに通っていたが、スクールではポートフォリオの作成をサポートしてくれないので、ポートフォリオ作成段階でサロンに入会してくださる方もいます。
独学かスクールかは、基礎学習をどのように行ったかの違いであって、カリキュラムで習った内容を大幅に超える技術力を証明しなければ納得のいく企業に受からないため、卒業後にオリジナルポートフォリオを作成する過程は、独学と全く同じです。
そして最近のスクールの評判があまり良くないことや、スクールに通っていたことを敢えて書類に書く必要はないということが徐々に浸透したことで、以前よりも卒業生であることを書いている人は減ってきたように思います。
◆ポートフォリオ / 技術
・Vue.js(またはNuxt.js) + Rails(API) + AWSが主流
昨年まではRailsに一部Vue.jsを組み込むぐらいが主流でしたが、最近ではフロントエンドをNuxt.jsで完全にバックエンドから分離したディレクトリ構成も珍しくなくなってきています。
いきなりこの構成に辿り着けるわけではなく、
①初めはチュートリアル等でRails単体を用いてアプリを作り
②そのアプリに一部Vue.jsを導入してみて使い方を覚え
③最終的にはフロントエンドとバックエンドを分割した構成にする
という手順が多いようです。
モノリシックアーキテクチャで作るよりも難易度は当然上がりますが、ディレクトリを分割し、現場で一般的に用いられている構成に寄せることで、少しでも即戦力であることをアピールする狙いですね。
・Docker、CI/CDは当たり前
DockerやCI/CDも、現場で当たり前に使われている技術で、かつそれほど学習コストも高くないため、導入を選択する人が多いです。
ただし、AWSでコンテナ系のマネージドサービスを導入することはそれなりに難易度が高く、検索してもなかなか答えに辿り着けないことも多くなるため、ここでつまずかないためのサポート体制の需要が高めですね。
使われている主なサービスの例は以下の通りです。
コンテナ系 … ECR / ECS / Fargate など
CI/CD … CircleCI / GithubActions / Capistrano など
・Bootstrapは避けられつつある
CSSフレームワークにBootstrapを選択する人はかなり減りました。
レスポンシブ対応が容易で、class名でstyleを管理する手法は便利なのですが、どうしても見た目が「Bootstrap」っぽくなってしまうというデメリットが、ポートフォリオ作成においては致命的でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1640258844031-qEGRYlUteJ.png?width=1200)
https://getbootstrap.jp/docs/5.0/components/buttons/#examples
jQueryと共に歩んできた少し古い技術のような印象があります。実際に最近のフロントエンドの現場でも、Bootstrapをファーストチョイスとすることはほとんどないのではないでしょうか。
Bootstrapの恩恵を継承しつつ、最近採用されているのが、Tailwind CSSです。また、Vue.js環境で最も採用されているUIフレームワークのVuetifyも人気がありました。
◆ポートフォリオ / その他
・テーマは社会課題を意識したものが多い
いざこれから数ヶ月かけて作り上げるポートフォリオのテーマ決めは、未経験者の悩みの種の1つですが、今年私が数十件見てきた中では「制作者の原体験を元にした社会課題に意識を置いたテーマ」が多かったです。
仕事や生活でこんな不便なことがあった
システムの導入で業務効率や生活が改善されたが、○○の面では不十分だった
自分で作れるようになりたいと感じるようになり、プログラミングを学び始めた
不十分と感じた部分までカバーしたこんなアプリを作りました
これを仕事にしていきたいからエンジニアになりたい
こんな感じで、きちんとエンジニアになりたいという主張までのストーリーが明確にあって、その過程にポートフォリオが位置付けられていると、説得力がありますよね。
ポートフォリオには、「自分が使いたいもの」が1番の候補に上がりますが、エンジニアになってプログラミングを仕事としたとき、問題の規模の違いはあれど、そのプロダクトは「利用するユーザーの課題解決」によって収益を得るものです。採用担当者から見れば、社会課題への意識が高い人の方が、仕事を任せたいと感じさせるんですよね。
世の中によくある「タスク管理アプリ」や「動物の写真共有アプリ」など、既存のサービスで解決できるものを作ってしまうと、「なぜもう一度作ろうと思ったのか」「このアプリは誰のどんな課題を解決するのか」と聞かれた時に、切り返しが難しくなるので、企業規模ではなかなか参入してこないけど、確実にニーズがあるニッチな領域を攻めるのも1つの戦略ではないでしょうか。
・アクティブユーザーがいるアプリも!?
これは今年から見られた大きな特徴の1つですが、ポートフォリオとして作成したWebアプリを、実際に利用しているアクティブユーザーが既にいるケースを見かける機会が増えました。
未経験者の作るポートフォリオと聞くと、「転職用に作って、内定出たらサービス終了」と、ある程度割り切って作っている人ばかりだったのですが、自身の資産として継続的にサービス運営されている人も少しずつ出てくるようになりました。
アクティブユーザーのいるアプリ運営をするということは、
ユーザーからのフィードバックを得て
より使いやすいアプリへ改修する
というサイクルを経験するわけですが、それすなわちこれから企業に就職してエンジニアとして仕事をすることと同義なので、貴重な経験かつ高評価に繋がりやすいんですよね。
私が採用担当者だったとしても、例えば「Web制作でLPを10万円で受注した経験があります」という人と「収益化もできていませんし、アクティブユーザーも20人しかいませんが、ポートフォリオとして作成したアプリを利用してもらっていて、今もユーザーの声を聞きながら少しずつ改修しています。」という人だったら、絶対に後者を採用します。
私も現在個人開発で本業の合間を縫って1日に数時間程度コツコツ作業を進める1人ですが、技術力は低くてもたっぷり時間がある内に土台を作って置くと、エンジニアとして仕事をしながら自身のサービスを長期運用していくことが可能になるので、未経験の人にも「ユーザーさんに実際に使ってもらう」ことを目標としてテーマ選定から考えてもらいたいですね。
◆人物
・ハイスペック人材
未経験からのエンジニア転職において、ポートフォリオも重要な要素ではありますが、一般的な転職活動同様、学歴や職歴・これまでの経験は合否を大きく左右します。
有名大学卒
理系学部(情報系学部)卒
IT企業出身
有名企業出身
プログラミング経験有り
事業会社のシステム部門でVBAを書いていたとか、大学時代にC言語の経験があるなど、元々プログラミング経験者という人も珍しくありません。
ハイスペック人材が転職活動において有利であることは言うまでもない事実ですが、こういった人たちがエンジニアとしてデビューしていくのは、やはり人気職種に対する需要と供給のバランスが崩れていることに大きな原因があります。
例えば3年前の温度感ですと、未経験者を採用しても良いと考えている企業が仮に100社あった場合、そもそもエンジニアに転職したいですと応募してくる未経験者自体が100人もいなかったので、「まあそれなりに勉強ができそうで、それなりの社会人経験があれば採用してみるか」ということはよくありました。
しかし、現在は倍率が10倍を軽く超えてきますので、市場価値の高い上位層が複数企業から内定を獲得し、逆に選べる立場になるのは、火を見るよりも明らかですよね。
経歴に光るものがなくても、ポートフォリオを超ハイレベルに作り上げていれば「本気でエンジニアになりたいんだな」と気持ちが伝わってきますし、素晴らしい経歴をお持ちなのであれば、ポートフォリオ作成にそれほど時間をかけなくても、「すぐにキャッチアップしてくれる頭脳を持っていそうだ」と評価を受けるでしょう。
最終的には総合的に評価をされることになりますので、ご自身の現状に合わせた戦略を練ることが大事ですね。
ここのスクール / サービスがすごい
プログラミングの流行によってたくさんのスクールやサービスが登場しましたが、2021年、さらに勢いを伸ばしてきたものを紹介します。
・RUNTEQ
数あるプログラミングスクールの中でも、RUNTEQの評判はすこぶる良いです。スクール自体の詳細は昨年の記事で紹介していますのでそちらをご覧いただければと思いますが、YouTubeでの発信内容にはとても信頼感を覚えます。
「これからエンジニアになるのは超ハードモードだよ」と、スクール側がわざわざ発信するなんて、ビジネス的に考えたらおかしいのですが、真実を伝えた上で、即戦力となるエンジニアを輩出するために全力でサポートしたいという信念が伝わってきますね。
私が感じるRUNTEQの最大の特徴が、「卒業生のポートフォリオがメディアに取り上げられるほど話題になる」という点です。アクティブユーザーがいるのも当たり前で、自社主催・他社と合同主催、それぞれのポートフォリオコンテストでは、ユニークさ・技術力・アイディアなど、色々と驚かされる作品が並びます。
カリキュラムもボリューム満点ですし、お値段も決して安くはありませんが、企業がRUNTEQ卒業生を採用したときの満足度は、他のスクールに比べてかなり高いと聞いておりますので、気になる方は調べてみてください。
・雑食系エンジニアサロン
手前味噌で大変申し訳ありません。自身がメンターを務めるサービスの紹介です。
Web系エンジニアの勝又健太さんが運営する雑食系エンジニアサロンでは、2020年11月より「Web系エンジニアを目指す人のとっておき会員制コミュニティ」として新プラン「スタンダードプラン / プレミアムプラン」を提供開始。自社開発企業の内定者を次々と輩出しています。
各方面のスペシャリストである現役エンジニアメンター陣への質問
実際に内定を獲得してきた先輩たちのポートフォリオの閲覧
過去のポートフォリオレビュー・プロフィールレビューの閲覧
など、全てが無制限です。当然ですがご自身のポートフォリオやプロフィールもレビューしてもらえます。
転職を成功させるための詳細なロードマップや、基礎学習の理解度を測るスキルチェック問題集の提供もしており、効率良く学習を進めるために背中を押してくれるサービスが用意されています。
入会者は非常にポテンシャルの高い方々が多く、ポートフォリオのインフラをTerraformでコード化してしまうようなすごいところまで辿り着いた方も1、2人ではない環境なので、「自分も頑張らなきゃ」と、とても良い刺激になるでしょう。
安価な月額制で提供しております。事前相談も可能ですので、気になる方はご連絡お待ちしております。
2022年の未経験転職戦略
少し落ち着きを見せつつあるエンジニア転職ブームですが、厳しい道のりであることは変わりありません。これからエンジニアになりたいと考えている人は、どのように立ち向かえば良いのでしょうか。
◆基本戦略
「独学 + コミュニティ参加 + 専属メンター」と言う基本戦略はこれまでと変わらず、未経験転職に関する最新情報にアンテナを張りながら、挫折しそうな困難な状況ではしっかりサポートしてもらえる体制を用意しましょう。
独学とは、本当に独りだけで学ぶことを意味するのではありません。エンジニアになっても、チームで協力して仕事を進めていくことになります。わからない時はメンバーに頼ることもありますので、質問することには就職前に慣れて置く必要があるでしょう。
◆差別化ポイント
ポートフォリオでの技術力アピールが、今からコントロール可能で最も効果的な努力材料であることは先に説明した通りですが、Nuxt.js + Rails + AWSに変わる新たな技術トレンドがあるとすれば、私の予想はフロントがReact(またはNext.js)とTypeScriptに置き換わることです。
・ReactまたはNext.js
フロントエンドといえばReactとVue.jsの二大巨塔ですが、海外のトレンドはReactの方が伸びてきています。日本では、Vue.js関連の日本語情報の豊富さと、それに伴うコミュニティの拡大によって、Vue.jsも勢いがあるのですが、海外のトレンドが数年遅れて日本にやってくることを踏まえると、これからスタートアップで採用されるフロントエンドの技術は、間違いなくReact, Next.jsが増えてきます。
そして、ReactとVue.jsで迷っている初学者の方がいらっしゃった時に、エンジニアはVue.jsを勧める傾向にあります。なぜなら、どちらも経験のあるフロントエンジニアからすると、Vue.jsの方が学びやすく書きやすい、逆にReactは少し難しいという側面があります。
上記の点を踏まえると、
初学者には難しいが
これから必ず伸びてきて
現場で書く機会が増えてくる
以上の理由から、Vue.jsよりもReactをポートフォリオに採用する方が、評価は高くなると予想できます。
・TypeScript
そして、Reactを採用するなら、ほぼTypeScriptはセットで付いてくると思っていいでしょう。むしろこのTypeScriptとの相性が、Vue.jsよりReactを流行らせていると言っても過言ではありません。素のJavaScriptだけでもES6などの新しい書き方や、新機能の追加で学習量はそれなりに必要ですが、
本気でエンジニア転職がしたい!
納得の行く会社に入社するために全力で勝負したい!
と言うやる気に満ち溢れた方には、型を用いた開発に是非チャレンジして欲しいです。
ちなみに、私個人の観測範囲内の話ですが、ポートフォリオにReactを採用している人は少しずつ出始めているものの、2021年12月時点でTypeScriptが使われたポートフォリオは見たことがありません。現場では当たり前に使われていて、未経験者が手を出していない技術第1位だと思いますので、ここの乖離を狙っていくことは差別化戦略としてはかなり価値が高いでしょう。
・大事な考察
バックエンド側の流行としてGo言語の名前がよく上がると思います。「これから伸びてくる技術を取り入れた方がアピールに繋がりやすいなら、バックエンドはGoでポートフォリオを作るべきではないか」と言うご意見が飛んできそうですが、現時点ではあまりお勧めいたしません。
Go言語を採用している企業の技術レベルやチームレベルは高い傾向にあるので、未経験者がいきなり入社できる可能性が低い
求人数がまだ少ない
日本語情報や、エラー解決系記事などが充実しておらず、Railsで作るよりも挫折可能性が高い
等の理由により、2021年12月時点ではGo言語でポートフォリオを作って転職することに関しては再現性が高くないので、まだRailsを採用することをお勧めしています。JSONデータを返すAPIモードでの作成であれば、十分武器になるとも考えています。
そこで、「じゃあフロントエンドのReactやTypeScriptが、初学者にとってはバックエンドのGo言語のような転職可能性の低い学習になってしまわないのか」と言う懸念についてですが、これはまだ私も明確にNOと言えないというのが正直なところです。
ですが、Go言語ほど先に進みすぎているという印象はなく、未経験者が入社可能なスタートアップなどの小規模企業では「React + Rails」や「Vue.js + Laravel」のような「JSフレームワーク + 動的型付け言語のフレームワーク」の組み合わせが圧倒的に多いので、ポートフォリオをVue.jsからReactへ置き換えたとしても、上記の例だけでも2 × 2 = 4通りの企業には問題なく応募が可能です。そして、Reactを使う企業では、TypeScriptがセットでついてくる確率も高めです。
このことからも、ポートフォリオの開発にVue.jsではなくReactとTypeScriptを採用した理由がきちんと説明できれば「技術的好奇心・情報収集能力・問題解決能力」などを総合的に評価してもらえると考えています。
求人数が少なすぎるということはないですが、日本語情報の充実さで言うと、Vue.jsには劣るかもしれませんので、その辺りは英語でも検索する覚悟を持って、挫けそうな時には現役のReactエンジニアに質問ができるような環境を用意できると万全ですね。
最後に
相変わらず異業種未経験からのエンジニア転職は厳しい道のりですが、最新情報をキャッチアップし続け、ご自身にあった転職戦略の元、正しい努力を最後までやり切ることができれば、皆さんの思い描いたキャリアパスはまだまだ十分に実現可能です。
一人で悩まず、現役エンジニアや採用事情に詳しい人に、まずは相談してくださいね。
皆さんの人生の岐路であるジョブチェンジをこれからも応援するために、今回のような情報提供を心がけますので、次のNoteやTwitter(@yosapro)でお会いしましょう。
そして大事なことなので毎度同じことを言いますが、「◯◯さんが言ったから全て正しい」のように全てを鵜呑みにしないでください。あくまで一人のエンジニアの意見であることを理解し、必ずご自分でも調べて判断してくださいね。
以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました!