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プランクトンと一緒に見上げた海は もうひとつの空で 見恍れて あたらしく名前をつけた あ…
(✓)確約をとりつけること 保護した紙切れの朱肉は乾くでしょうが (✓)保険をかけること …
紫髪した風水師は禍々しいと言った 明るい色の腰掛けを そうね、オレンジ色かグリーンがいいわ…
耳の中に街があるのです ほら、今も潮騒の音がして鴎が羽ばたきました ブォンブォンと風切り…
雨垂れ眼鏡をかけた紫陽花くんが 「僕ラは詐欺師でしょう」 「息を吐くように嘘をつきましょう…
わたしのねこは / 雑種 /で おせじにもととのったとはいえずじまいのざんねんじまい/ 雑ワ…
雨上がり響き渡る境い目 町と町の誤差ゆえの重唱それは夕暮れ讃歌 鞄にいれた筆箱はかたかたと鳴る 蟠りの水溜まりからは泥水が撥ねる 上空で烏は群れをなしてはお山に還る ほら こんなときなのよ 約束をおもいだすのは 小指のない約束の不確かさ 小指のない約束の不透明さ 小指のない約束のかなしみを 内訳は綺麗さっぱり忘れゆくのに 忘れたことは確りと憶えている 薄まってできたわたしたちは 夕暮れにだけそっと息をする
① はじめに蛋白質の皮に水と脂を詰めておく ② 桜の花びらに別れの合図 もぎ取った若芽にま…
あさ、目覚めると長年使って少しかさの減った蕎麦殻枕のすぐ横に、ねこの吐瀉物 ねむけまなこ…
お別れをした年の夏の終頃 ひとめぼれをして買った亜麻色のブラウスは 花弁を思わせる丸衿に翳…
命が混ざりあったあの深い夜に 私は私からいちばん遠ざかって 見知らぬ人となったのだ あたか…