夜野群青 ( ヨルノ グンジョウ )
理柚 × 夜野群青が全12話でお届けするWeb往復書簡。
【R15】青春69バンド小説!!!
¦過去の作品をまとめています。
【性描写あり】19160字/1話完結 風俗嬢「泡姫にこら」が描く、温度をテーマにした短編小説。
冬だというのに季節外れの生ぬるい風が、地下通路を吹き抜ける。 通路を抜けるとすぐ側に墓地がある。墓地の周りだからといって、心霊現象が起きたなんてことは今のところ…
理柚さんとの往復書簡、7話目です。 先日、理柚さんからいただいた手紙がこちら。 長い長い梅雨が明けたと思ったら、今度は灼熱の夏がやって来ました。季節の移ろいを味わ…
お医者さんが頭をぶんぶんと両手で振るので困った私は詩を書くことにしやはったんやと思う 栄螺《サザヱ 》が紡いだ螺旋階段の天辺《てっぺん 》で 連想ゲヱムの連想ゲノ…
深爪は吐息をはべらせ しゃんらしゃんらと蕎麦殻の枕だけが 私の夜の湿度と深さと重みを知ってゐる
ある男から壺を買った 身体がすっぽりと入る巨大な陶器製の壺は鳳凰の眼が滲んで安っぽい孔雀に見えた 大袈裟な冠を見て少しだけ笑った 底の処理は至って量産型で、特別じ…
アメリカンアンティークのお店で ドタバタ劇を繰り返す猫と鼠 (勿論、古びたブラウン管の中で) (永久機関) 無限ループでフラフープ ビンテージとアンティークの空白(_blank…
低い空に傾いた薄い月が落とした光量 影は伸びないのはそもそも脚のないお化け 口だけのお化けの仕業 嗤ってる場合かよ はは は どこで捨ててきたのかねえ 口先お化けは…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 【クリヰムソオダの記憶 / 001】 確か、あれは母の体調が悪かった夏の夕暮れ。観光バスの運転手をしていた父が、私と弟を自家用車…
あなたの皮膚をおさえこむたびに 内側からの反発する力を感じてゐる 指紋が吸いつくやうに 快感に身を委ねたふりをして あたしはそれを愉しむときにだけ いのちと云ふもの…
重い瞼を閉じてソファーで泥のように眠ろうとする, 軋むスプリングの振動が誘う幼い頃の記憶, 小気味好いリズミカルな音から, 父と母の交わった声, コンクリートと金属の境…
飼い慣らした夏に二枚爪 舌に乗せるとほろ苦く 深く沈殿するコーヒーゼリー 地質学者は頷いた 握る匙には、空、海、砂の蒼三層
まだ硬い蕾は壊れやすい 決してこじ開けてはならぬ 羽根のような柔さでそっと触れ 咲かせる大輪を予期させ 役目を終えた私は骸となるだろう 母は二度死ぬ
だから水性の音はしない 青空を模した天井で思考の波を掻き分ける 雨降りの前と後では匂いが違う事を ここにきてから知った (なんて滑稽) ブラインドの隙間から 白亜色し…
モルタル漏れる夜 なけなしの金貨で買う海月 余りの分母は棄てちゃいな
2024年6月7日 15:43
欲しいものがなくなってから書くことができないでいる
2020年11月23日 00:44
書きたいもの描きたいものが確実に変わってきたことに気づいた。前の作品が劣ってるというのではなく、次のフェーズに移行なのだろうと思う。
2020年8月29日 23:01
冬だというのに季節外れの生ぬるい風が、地下通路を吹き抜ける。通路を抜けるとすぐ側に墓地がある。墓地の周りだからといって、心霊現象が起きたなんてことは今のところ、ない。そもそも、俺や直樹、まぁぶるにいたってはそんなものを感知するような特殊能力はあるはずがないのだ。現に目の前にいる奴の気持ちさえわからねえのに。言葉に出してくれなきゃ、わかんね。察するなんて芸当できやしねえ。なんてったって、鈍感す
2020年8月28日 18:19
理柚さんとの往復書簡、7話目です。先日、理柚さんからいただいた手紙がこちら。長い長い梅雨が明けたと思ったら、今度は灼熱の夏がやって来ました。季節の移ろいを味わう以前に、その激しさに翻弄され、押し潰されそうな自分がいます。あなたがおっしゃるように、こんな季節の中では、染み入るような雨の名前もいつしか忘れ去られてしまうのかもしれません。そんな弱気な自分を後目に、蝉はかしましく、蔓草は天を目指
2020年8月28日 14:43
お医者さんが頭をぶんぶんと両手で振るので困った私は詩を書くことにしやはったんやと思う栄螺《サザヱ 》が紡いだ螺旋階段の天辺《てっぺん 》で連想ゲヱムの連想ゲノム解析するするすると滑るのみのみのみあ・栄螺《サザヱ 》味の薬・苦い飛んでしまったなあとはんなり云うても、偉いもんを看てしまったわあと後悔は羊を連れ立って巡ってく思考的な丘の上にメヱメヱと垣根を越えて行くので、残像しか見えやしな
2020年8月28日 14:41
深爪は吐息をはべらせしゃんらしゃんらと蕎麦殻の枕だけが私の夜の湿度と深さと重みを知ってゐる
2020年8月28日 14:38
ある男から壺を買った身体がすっぽりと入る巨大な陶器製の壺は鳳凰の眼が滲んで安っぽい孔雀に見えた大袈裟な冠を見て少しだけ笑った底の処理は至って量産型で、特別じゃない品物だとは解ってはいた装飾も金箔も、外側なんてどうでもよくってただ中に入ると、感傷涙液で充たされた内側は心地好くて、あたしは水を得た魚になれたし温くて暗くて落ち着いたし曲線と腰椎のカーブがぴたりと沿って、理由なんて要らないほ
2020年8月28日 14:35
アメリカンアンティークのお店でドタバタ劇を繰り返す猫と鼠(勿論、古びたブラウン管の中で)(永久機関)無限ループでフラフープビンテージとアンティークの空白(_blank)でいつだって首を傾げたくなるはて錆びたあの鍵穴と鍵は出会えるだろうか
2020年8月28日 14:30
低い空に傾いた薄い月が落とした光量影は伸びないのはそもそも脚のないお化け口だけのお化けの仕業嗤ってる場合かよはは はどこで捨ててきたのかねえ口先お化けはいつだって忙しく仮装して仮想して火葬すんだループしてループしてそれは流転ですって かはは は何処に棄ててきたのかねえ四角四面の匣の中ぢゃあ何にだって成れるもんねえ二枚舌の残像バレないと思った?はは は影 儚
2020年8月6日 20:42
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈【クリヰムソオダの記憶 / 001】確か、あれは母の体調が悪かった夏の夕暮れ。観光バスの運転手をしていた父が、私と弟を自家用車に乗せて連れ出した。ミッションレバーに見慣れない装飾のついたカバー。幼心に、私は違和感を感じていた。思えばその頃すでに私はヲンナだったのかもしれない。┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈【クリヰムソオダの記憶 / 002】ヲ
2020年8月6日 20:31
あなたの皮膚をおさえこむたびに内側からの反発する力を感じてゐる指紋が吸いつくやうに快感に身を委ねたふりをしてあたしはそれを愉しむときにだけいのちと云ふものの触感とあたしの線引きを確固たるものにする犯されない犯しきれない絶対領域に絶対空域と云ふものをあたしがあたしでいていい理由をあなたがあなたでいていい意味を探しあてた気になるだから少し痛くて嫌い
2020年8月6日 20:29
重い瞼を閉じてソファーで泥のように眠ろうとする,軋むスプリングの振動が誘う幼い頃の記憶,小気味好いリズミカルな音から,父と母の交わった声,コンクリートと金属の境目,緩急な高速道路,≠ ストップ,橙色が両目の端で鬼火、飛んでは消え、消えては飛んで、それもまた,≠ フィクション,それは、ゆめうつつ瞼の裏の絵に少し似ている
2020年8月6日 20:26
飼い慣らした夏に二枚爪舌に乗せるとほろ苦く深く沈殿するコーヒーゼリー地質学者は頷いた握る匙には、空、海、砂の蒼三層
2020年8月6日 20:23
まだ硬い蕾は壊れやすい決してこじ開けてはならぬ羽根のような柔さでそっと触れ咲かせる大輪を予期させ役目を終えた私は骸となるだろう母は二度死ぬ
2020年8月6日 20:21
だから水性の音はしない青空を模した天井で思考の波を掻き分ける雨降りの前と後では匂いが違う事をここにきてから知った(なんて滑稽)ブラインドの隙間から白亜色した身体に窓から差し込む光線が斑に投影されて浮かび上がる仲間と骨膜の存在意義について熱く語った日はとうの昔ああ、僕は白くて黒い存在だ(なんて皮肉)緑豆と海狗が机上で叫んだら増殖しすぎて今度は違う個を追いやった彼方を
2020年8月6日 20:16
モルタル漏れる夜なけなしの金貨で買う海月余りの分母は棄てちゃいな