沈みゆく 【散文詩】
一瞬は永遠のためにある。
だからこそ、うつくしい思い出ほど記憶に残るし、つらい経験ほど忘れることができない。よろこびの涙には限界があるから、きみはずっとかなしんで、ずっと涙を流し続けてこそ、永遠になることができる。瞳から落ちたうろこが、魚に変わって海を泳いでいくことも子供の時からわかってる。いつの日かきみを呼ぶ声が水面にひびいて、あかるい光が胸に降り続いていくことも。
静止する景色ほど、雨がきれいに写るものはない。風に照らされる季節は呼吸をしながらゆっくりと移り変わっていき、きみの姿がはっきりと月になじんでいく。
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きみのために風は吹いている
そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、
言葉となって浮かんでくるからだと思う
きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが
わたしの言葉になる
大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ
読んでいただきありがとうございます。
夜野